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相棒2 第5話「蜘蛛女の恋」感想

砂本3部作の2本目!!
今回も最高に面白い!

伊丹の婚活や犯人は覚えてたが、右京さんが不眠症で心療内科に通ってた事は完全に忘れてたのでかなり驚いた…。

まぁ元々の性格が神経質そうなのに無神経な亀山君と一緒だし、また過去に部下を死なせて15年飼い殺しにされてた事を考えると当然の通院かもしれない。
今後の描写で不眠症という話は無い筈なので、亀山君と過ごして右京にも柔軟性が移った結果完治したって説もあるね。
亀山の無神経さは病気をも治す。

【あらすじ】

ある日曜日の夕方。不眠に悩まされる右京は、予約を入れたメンタルクリニックの扉をノックした。
しかし診察室からの応答がない。
そっと扉を開くと、ドアは内側からガムテープで目張りされ、室内からは鼻を刺す亜硫酸ガスの異臭が…。
そのころは同棲相手の美和子とお見合いパーティーに参加していた。
参加者が足りないためのサクラ、とは半分言い訳、実は美和子がお見合いパーティーに参加することを心配しているようだ。
と、そこにはなんと捜査一課の伊丹刑事の姿が。どうやらマジで参加しているらしい。
斎東リカ七森雅美という女性と話をしている伊丹にさっそく近寄っておちょくる薫。
そしてパーティー会場ではくじ引きでペアを組みカップルを作るというイベントが。
薫は暗い感じの大人しい雅美とペアに、伊丹はなんと美和子とペアになってしまい不機嫌になる。

脚本:砂本量
監督:大井利夫

【ゲスト】

七森雅美(演: 中島ひろ子)

『過保護なカホコ』での万引き叔母さん役が記憶に残ってる。(「殺人晩餐会」西尾さんの姉
中島さん自身は世話を焼きたがる人で雅美とは全く違うらしいが本当に演技がピッタリ合っていて凄い

斉東リサ(演:加藤貴子)

明るく元気なパワフル美人。
神作である『仮面ライダーアマゾンズ』の水澤ママと同じ役者さんと知り驚愕。
明るい役もクールな役も出来るって凄い。

【感想】

《共依存》

[貝木泥舟]
俺はな、かけがえのないものが嫌いだ
『これ』がなきゃ生きていけないとか
『あれ』だけが生きる理由だとか
『それ』こそは自分の生まれてきた目的だとか
そういう希少価値に腹が立って仕方がない

『恋物語』より

今回は共依存関係にある母娘を引き離そうとした医者が母に殺されてしまうという物語。

個人的には何かに対して極端に依存するメンヘラはかなり嫌い。
基本的に家族も仕事も友人も恋人も自由に楽しくやっていきたい性質なので、重かったり察して系だったり細かい事でイライラされるような相手とは付き合いたくない。
作品に対しても同じで、自分はそれこそ『相棒』が好きで、第三者から極端に依存してるように見えるかもしれないが盲目的にグッズを買い漁ったり放送される作品全てを肯定的に捉えてる訳ではない。
日常との分別をつけながら周囲にも社会的にも迷惑をかけない範囲で楽しんでいる。

そんな訳で雅美さんはキャラクターとして非常にウザかった
2回しか会ってないのに50通以上のメール、会って3回目でTシャツをお揃いにし、4回目にはMA-1まで揃えて弁当を用意しストーカー、最終的には伊丹経由で呼び出してその果てに自殺騒動。
しかも元々は被害者の岸田先生に惚れていたっていう…。
もう何なんコイツ

本当にマジで亀山君が可哀想。
亀山君は反骨精神を持つお人好しだから、社会的な圧力には屈しないけどこういった相手の気持ちに頑張って応えようとしたり、皆に優しくしようとしてドンドンと自分で蜘蛛の糸に絡まりに行ってる姿が本当に可哀想。
恐らく知人ピンチ系を除くと亀山君がここまで精神的に追い詰められる話は今作だけだと思う。
美和子からは浮気を疑われてプライベートは落ち着かず、職場だと伊丹が何故か首を突っ込んできて落ち着かず、右京さんは気にしてないとはいえ特に慰めもしてくれないからね…。

ただ雅美さんはウザかったとはいえ、母の束縛から自由に成りたがってる描写が結構あったので嫌いにはなりきれないように設定しているのが上手い。
特に「犬のブローチは自分で選んだ」っていう何気ない一言は、母親が狂気の表情でデパートの洋服を漁ってる場面と繋げて考えるとそれ以外は全部母親が決めており自分のセンスで選んだモノが褒められると嬉しいっていうのは束縛から解放されたがってる事を説明台詞じゃなく描写している。

そこでサポートしてくれるのがリサさん。
リサさんは時に優しく時に厳しく雅美さんと接する事で彼女の自立を促している。
更に婚活パーティーや亀山へのアプローチの背中を押してあげたりと自分だけに依存させず、外部との交流機会を作ろうともしている。
しかし良い点だけじゃなく、リサさんのコミュニケーション方法。
暴力はいかんよ暴力は。
訳の分からない事でキレた時した暴力は振るわないとは言ってはいるものの、ぶった後に抱きしめて謝りながらも「でも雅美が悪いんだよ」と言い放ってるのが恐ろしい。
やってる事は殆どDV彼氏。
この2人を一緒に住まわせるとリサさんの暴力によるストレスで雅美さんがいつか爆発したり、暴力も含めて更にヤバい共依存になる可能性もある。
岸田先生はこの暴力性を知った上で診断結果を出していたのなら良いんだけど、リサさんは診察とか受けてないっぽいんだよな…。
色々と酷い目にあった亀山だけでなく、右京も「後は2人の人生です」と半ば匙を投げてるからね。

あと今回地味に高評価なのは、雅美さんの母親である日出子が娘に依存したキッカケが旦那に捨てられたからと説明した事。
何事にもキッカケはあると思っているので、そこをキチンと説明したのは流石よ。
共依存という中々理解が難しい病気を
岩本さんの「ひとりぼっちは嫌よ…」という鬼気迫る演技で説得力を上げている。

また密室のトリックという人間ドラマとは別の謎解きもしっかりしているので、そちらでも満足感が高い。
でも掃除機の吸引力でドアのガムテープをしっかり貼り付けられるのかは長年の疑問なのと、亀山襲撃時の日出子バッグに掃除機が入って無さそうなのが気になるけど瑣末な事よ。

《今回のMVP》

斎藤肇

岸田と一緒にメンタルクリニックを経営してる心療内科医。
岸田が死んでも平然とし伊丹達からの質問に対してもプライベートの事までは知らないと断言したりとドライな性格かと思いきや、自分は結婚報告を伝えてたり右京の治療を引き継いだりとかなりちゃんとしてる。
また、この人の結婚報告のおかげで真犯人の事が分かったのも大きい。

逆に落第点なのは伊丹。
美和子と2人で婚活パーティー参加かつ、雅美さんが事件の関係者という事で何らかの事情があったと分かりそうだけど、リサと一緒になって亀山を責める醜態。
ただ自身を地方公務員だと言ったり、美和子とペアになったり、亀山糾弾会での「僕は君を軽蔑する」とかお笑い要因としては100点。

【小ネタ&雑感】

•優しくてカッコいい伊丹w
•亀山「地方公務員の伊丹君」←笑った
•若い女性に言い寄るオッサンはキツい
•右京「休みの日に仕事以外で電話をした事がありますか?」←20年後2人で演奏会に行きます
•伊丹が右京へ"警部さん"呼び
•芹沢は興味ないと言ってますが20年後には伊丹のお見合いを覗きに行きます
•睡眠過剰の角田課長
•課長起こして外出すなw
•米沢さんも元不眠症なのね
•リカさん家まで案内してくれるとか優しいな
•雅美さん犯人に薄々気付いてる?
•寝てる課長で遊ぶなw
•刑事としても人としても返信は必須
•蜘蛛の巣に引っかかった哀れな虫←亀山君
•亀山君の中でもトップクラスの大ピンチ
•手袋までして証拠を残さないようにしてる
•2人はこれから別々に暮らすという死刑宣告
•リカさんは亀山君に一言謝罪すべき

【次回】

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