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相棒21 第15話「薔薇と髭と菫たち」感想

小ネタだけど、元々ヒロコママのお店は普通の焼肉屋で、リニューアルして「薔薇と髭」に店名を変え、再度登場した時は「薔薇と髭と…」に再度名前が変わったんだよね。
この三点リーダーが指し示すものは俺は勿論だけど多分杉下右京にも分からない。


【あらすじ】

は、海外渡航前から顔馴染みだったゲイバーのママ・ヒロコと再会。
ところが、その矢先、公園で男性の遺体を発見する。
男性は鬼塚という著名なルポライターで、妻はノエル美智子というペンネームで少女向け小説を手掛ける人気作家だった。
鬼塚の手には、なぜか美智子のデビュー作が握られており、何らかのダイイングメッセージとも思われた。
事件に興味を持った右京が、美智子から事情を聞くと、鬼塚が死亡した晩、彼女も同じ公園で炊き出しのボランティアをしていたことが判明。
鬼塚は、そこに集まった生活困窮者を取材中、何らかのトラブルに巻き込まれたのか?
そんな中、ヒロコが聞き捨てならない情報をもたらす。
困窮者を食い物にしていた半グレ集団が、鬼塚を脅していたというのだ。

有名記者の死は、事故か、殺人か…!?
遺体はなぜ妻の小説を手にしていたのか?
現代社会の深き闇に特命係が切り込む!

【感想】

《この世界は素晴らしく、人生は喜びに満ちている》

今回は面白かったのはあるけど、それ以上に菫さんの境遇に何となく身につまされるものがあった。
別に自分自身が貧困層とかDV被害者とかって訳ではなく、好きなものを嫌いになるっていう意味で身につまされる。
例えば自分も『相棒』だと「ダークナイト」で離脱しかけたし、あんなに大好きだったカイト君の事も嫌いになりかけた。
今回の菫さんはそれよりも重症で自分の人生に希望を持てず、希望を持っていた過去の自分…その象徴である"日向の花"とそのメッセージ性を全否定する事でその頃の思い出も否定している。
それに対して、そんな事は無いと否定するんじゃなくてその気持ちも肯定した上で"この世界は素晴らしく、人生は希望に満ちている"筈なのに半グレや制度など何らかのエラーが原因で菫さんは苦しんでいるんだと主張する事でノエルさんのメッセージも生きてくる。
そして過去純粋にノエルさんを信じていた心、現在鬼塚さんの本のような社会の闇に押し潰されそうな心、光と闇が合わさって最強に見える理論のように両方の気持ち理解できるからこそノエルさんから一緒に仕事をするパートナーに選ばれるのは納得の結末。

俺(僕)達は2人で1人の探偵
さぁ、お前の罪を数えろ!

鬼塚さんとノエルさんのコンビってほぼほぼ仮面ライダーWだよね。
近頃言われてる差別かどうかも怪しい内容ではなく、本当に男女の違いで望む仕事に就けないバブル崩壊時代…社会派ルポライターを目指す女性と少女向け文学を書く男性が出逢い、互いの素性を入れ替えて本を出す。
これは読者を欺いているという批判もできるけど時代を考えると致し方無いようにも思える。
というかそもそもそうしなきゃ菫さんのように熱心な読者や、ヒロコママや部長友人のように救われる人達すら出てこなかった
そんな関係を続けて数十年鬼塚さんの存在は終盤はノエル側には無くてはならない存在となっていたようにも思える。
取材に一緒に行くとはいえ主たる質問は鬼塚さんがやらなきゃいけないし、更に鬼塚さん自身も肝が据わっており半グレから殺すと脅されてもビビらず毅然と対応する胆力も持ち合わせていた。
戦闘力は分からないけど鬼塚さんが危険な局面で矢面に立っているからこそノエルさんも安心して裏で仕事ができるっていうのもあるとる思う。
そして2人で"新宿ダークストリート"みたいな本で闇を暴いて罪を償わせる。
ほら、やっぱり仮面ライダーWよ。

疑問点としては今回のサブタイにある「菫"たち"」という部分。
菫さんと同じく貧困に苦しむ人達、もしくは希望を捨ててしまった人達の代表として今後手助けをしてくれるのだと思うけど、菫さんと同じ境遇の人間で名前のある人物がいなかったからモヤモヤする。

《今回のMVP》

内村刑事部長

結構悩んだけど総合的にはこの人。
生まれ変わる前からだけど、部長は正月は家族との餅つきを楽しみにしたり友人の為に逮捕を恐れなかったりと近親者には優しいし甘い所がある。
生まれ変わった後はその上でヤクザといった反社は断罪する形に切り替わったし、今回のように下町を守る為に捜査一課に特命係との共同戦線を張るように指示したりと有能さしか無い。
まぁ参事官からしたら部長と2人で飲む場所とか潰れて欲しかったかもしれないけど。

【小ネタ&雑感】

•ヒロコママに右京さんもビビってて笑う
•ヒロコママは首が無いけど首を長く待ってた
•MAROHIMAKOでヒロコママ
•亀も歩けば遺体に当たる by伊丹
•芹沢の嫌味にヘラヘラする出雲良い
•奥さんとゲイバー来るのは強い
•イカだけ残す亀山は「殺人晩餐会」ネタ
•ノエル役の大島さと子さん良い形でご年齢を重ねられていて凄くお綺麗
•ハートマークを付けるヒロコママ
•鬼塚さん風格もだけど度胸もありすぎだろ
•特命係の亀山ぁ〜!by伊丹
•右京さんが何かに気付くSE怖すぎだろ
•当たり前のように取調べに参加する亀山
•職場に急に連絡する警察は良くない、急に訪ねてくる警察はもっと良くない
•"ファンレター書いてた自分"が夢みたいか…
•自分の人生が悪くても創作者にキレるのは筋違いだろ
•取調べ録画されてるから、そういった画が撮れるのは良き良き
•電気代の値上がりはマジで現在ヤバい
•名作は何年経っても面白いし流行るからね
•部長の友人の話はS10とS17であった
•本1冊で再開発計画が消えるって凄い
•特命係でくつろぐ捜査一課良き
•半グレの"スコルピオ"…
•かつて"名義貸し"で全てを失った柴田という男がいてね
•クソダサ蠍の刺青
•戸籍を売ってお金にしようとしてたのか…
•右京さんと薫ちゃん呼びって美和子とヒロコママの2人だけな気がする
•現在でも男女の雇用機会は確実に分かれているのに40年ほど前だと今よりも酷いよな…
•少女小説を書く男と社会ルポを書く女か…
•現場にいるとはいえ直接取材ができないのに完成度高い文章を書けるって鬼塚さんもノエルさんも能力高すぎだろ
•人生の困難も希望も知っているからこそ菫さんに頼んでるのね
•お帰り薫ちゃん良き良き

【次回】

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