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相棒 第1話「虚飾の城」感想

初見時は堕胎をさせられた事に対しての制裁っていう点しか気にならなかったけど、社会人になり改めて視聴したら連絡体制とかの穴を突いているトリックは中々身につまされるなとも思う。

【あらすじ】

ダイナマイトを腹に巻いた男が
「警視総監に会わせろ!バカヤロー!コノャロー!」
と警視庁にやってきた。
亀山薫がまたドジをふんで人質になってしまう。
ダイナマイト男は薫を人質に警視総監室に篭城する。
警視庁特殊犯はヘリコプターからダイナマイト男を狙撃しようとするが薫が邪魔になって思うようにならない。
そうこうしているところに杉下右京が警視総監室の中へ…。
右京の機転を利かせた判断でダイナマイト男を無事逮捕。
だが、そのダイナマイト男は別の事件のカギを握ることになる…。

脚本:輿水泰弘
監督:和泉聖治

【感想】

《警視庁ダイナマイト事件》

開始5分で終わった事件の方が本編よりもよっぽどメチャクチャで草生える。
警視庁にダイナマイト持って乗り込んで来るって今だと元日とか最終回SPもしくは劇場版にして2時間たっぷり使って描かれそう。
良くも悪くも大らかな時代だったからこういった大味な展開でも良いんだろうなと実感。
劇場版Ⅱは総監含めた警視庁幹部人質籠城事件なのでスケールアップはしてるが大筋は変わらない。
とりあえず、亀山君殺されるかもしれないどころか警視庁が爆破されるかもしれないレベルなのに命令無視して部屋に入ってくる右京さんの狂人っぷりがヤバい。

この辺は内容が完全にコメディなので、掘り下げとどうかと思うけど、警察に不満があるからテロ紛いの事を起こすっていう考えは20年前から現在まで変わらないなとも実感。
最後は警察庁長官から手紙を貰って感極まってるけど、勝手に市民代表って言い張って爆弾持って立て篭もり総監を出せと脅す田端はマジでヤベー奴だからね。
長官からも「ああいった行動は言語道断」とされつつも出所したら会う約束を取り付けるってもはやテロ成功としても良いレベル。
心底の悪人ではないのは分かるけど今のご時世だとTwitterとかで騒いでる馬鹿と同じなので絶対に関わりたくない人種である事は間違いない。

《秘書がマジでやりました》

公式あらすじでは1mmも触れられない本筋に合掌。
大規模な不正献金事件をを隠れ蓑にして堕胎をさせた事の制裁という殺人事件。
木の葉を隠すなら森の中と同じく、犯罪を隠すならより大きな犯罪の中っていう手法。
大企業になるとありがちな社長とコンタクトを取るには何にしても秘書を経由する必要があるっていう社会的慣習を突いたトリックは秀逸。
個人的な話としても役員や上司から会社の方針の話をされて「?」となる事も多く、いざ社長が全体会議で方針について話をしたら納得できるって状況も結構ある。
そういった伝言ゲームは本当に良くないと思うと同時に、秘書が自分の解釈を入れて第三者に社長の意見として伝えてるなんて事はザラにあるとも思ってる。
今回の麗子はその立場を利用していたが、意外と現実の世界でも世界を回してるのは社長ではなく有能な秘書の可能性もあるかもと想像した。

殺害の動機は先にも記載した堕胎
不倫でも愛しあっていた筈が、男側は麗子が子供を身籠ると一変して堕ろして欲しいという醜さを出す。
それをキッカケに別れるも堕胎時の悔しさと哀しさで制裁に走ってしまうという悲劇。
印象的なのは失われた我が子の"復讐"ではなく、あくまで自分主体での"制裁"という言葉に訂正した事
才色兼備故のプライドの高さという事もあると思うが、子供のせいにはしたくないっていう愛情にも考える事ができる。
最後に麗子が笑った理由は犯罪が公になり自暴自棄になったとか制裁をやり遂げてハイになったとか色んな解釈はできるけど、きっと男の俺には永遠に理解する事は出来ない理由なんだと思う(思考放棄

【雑感&小ネタ】

•ぶっちゃけ胃の中のキャビアから三木の足取りを調べて麗子とBARに行ったのが確認できれば3分で解決してた
•三浦さん初登場
•狙撃手が後の芹沢役の山中さん(日野警部補も出して
•ダイナマイトは確保しましたので何回も言う
•特命係はそろそろ潮時(20年後も存続)
•朝は子供番組を観る亀山君
•だしまき卵を作った美和子さん
•令状が出ないから勝手に部屋に入る
•右京さんの走り方の原点
官房長初登場!!
•もったいぶるのが右京の悪い癖
•急かすのが小野田の悪い癖
•右京と小野田は10年ぶりの再会
•被疑者を冤罪で脅す杉下右京
•笑った理由は何か
•渡邊清十郎警察庁長官は名前のみ登場
"例の件"での適任って何だよ(20年後も不明

【次回】

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