相棒 第6話「死んだ詐欺師と女美術館長の指紋」感想

タイトルでネタバレされてるんだよなぁ…

この女美術館長の指紋が発見され、それが決め手で逮捕って話なんだけどど真ん中ストレートでタイトルがネタバレに走ってる。
この潔さは逆に笑うしかない。
まぁ今回こそ微妙だけ今後砂本さんは名作を連発するので侮れない。

【あらすじ】

薫と親しい情報屋の土田が何者かに殺害された。
つい先日、薫からの借金を返すと、さらにはぶりよく酒をおごってくれた土田がなぜ…。
６歳の息子の養育権を別れた妻から取り戻すため、働くための資金も出来たと言っていたのに…。
薫は口惜しさに唇をかむ。
その土田に1億5000万円の詐欺容疑が浮上した。
被害にあったフィナンシャル会社の柿崎によると、得意先の専務から電話で架空口座に金を振り込むように依頼を受け、あっさりだまされたのだという。
架空口座から現金を引き出す土田の姿が防犯カメラにもしっかりと映っている。薫は信じられないとショックを隠せない。が、右京は初犯にしては手口が鮮やか過ぎると土田の犯行に疑問を。薫は右京と一緒に土田の汚名をそそぐ決心をする。

【感想】

《もっと頑張れ亀山君》

自分にとっては良い人間でも、他人にとってはそうとは限らない
逆に信じられないほど酷い人間という事もある
本当の事とはそういうモノでしょ

S14-2「或る相棒の死」

物語は複数の軸で進んでおり、そのうちの1つとして、死んだ土田の汚名を晴らす為に奮闘する亀山というのがある。
そこについては正直お粗末。
ことある事に
「土田は詐欺なんかする男じゃありません！」
と亀山は訴えていたけど、金目当てじゃなかったとはいえ詐欺と知っててその片棒を担ぎなおかつ息子関連も全部嘘で右京さんじゃ無いけど人を見る目が無さすぎる。

最初に記載した冠城君の台詞が全てよ。
結局土田は亀山君にとっては息子思いで憎めない友人に近い存在だったけど、本当は息子を喪い壊れて死にも縋っていた人間であった。
S15-7の「フェイク」で狂った母親の行き着く先にも感じる。

［ナツカワ マサル］
守りたい人を全員守れるわけじゃない。
助けるために手を伸ばそうにも、手の長さには限界がありますしね。
だから、手が届く範囲で、自分の信じる正義を、守ると決めた人を全力で守る。
それが使命だと思ってます。
そのせいで傷つけてしまったり、守ることが出来なかった人のことは、僕は絶対に忘れません。

『ウルトラマンZ』より

とまぁ亀山君に対してボロクソに言ってしまってるが、亀山君自身も
「もっと早く知っていれば力になれたかもしれない」とも言っており、それに対しての右京さんの
「今できるのは忘れない事」っていう落とし所は良きです。
忘れなければ次に土田と同じような境遇の人物にあった際に救えるかもしれない。
それができればこの土田の死にも意味があるのかもしれない。

《みんな何を愛してたの？》

館長の物語にどうも乗れない。
死んだ父を愛しており、その父そのものと言っても良い程の作品達を守る為に詐欺と殺人に手を染めようというのは理解できる。
1回売った事については、手放した事でより大切だった事が実感できたのかもしれないので目をつぶろう。
でもそんなに売りたく無いのなら美術館を閉めれば良かったのではという思いが出てくる。

絵よりも美術館が大事なのか、美術館よりも絵の方が大事なのかハッキリしないし館長の立場より父の忘れ形見の絵の方にフューチャリングされるのであれば絵の方だと思ってる。
それだと美術館が無ければ息子との思い出である絵を見れないって方向で美術館を守る為に土田が頑張るって筋書きの方が正直に言って腑に落ちる。

他だと右京は館長自身の手で最も絵を愛していたファンを殺してしまったとは言ってたけど、土田が愛していたのは「光る風の少年」だけで別にそれ以外の緑風の絵を愛してた訳じゃ無いし、もっと言えば「光る風の少年」から死んだ我が子と幸せな家族の思い出に浸ってるだけで絵を愛してるのかも疑わしい。
愛していたのは子供を思い出せる環境であり、美術館でも絵でも無いとも思える。
更に言えば自分の心の傷を癒し続けるっていう自分の為に絵を見ていただけ。
正直病気です。

【雑感&小ネタ】

•東急百貨店ではなく南急百貨店
•「薔薇と髭と…」店長のヒロコママ登場
•薔薇髭は元々は焼肉店
•息子の年齢を聞かれて困った表情をする土田
•受験に失敗した浪人生が子供を人質に…って本編よりもヤバい事件やね
•米沢さんの珍しいミス
•余計な事以外をしますby右京
•伊丹と亀山の胸のどつき合いw
•米沢「捜査はそちらの専門ですよね」→特命に捜査権はありません
•ヒロコママの名刺が強烈で笑う
•3時のオヤツを求めにくる課長
•紙袋が季節ごとに変わるのは後出しやな
•絵より人を見るたまきさん
•空に浮かぶ土田finishは笑う

【次回】