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Appleストアからのフォートナイト削除に関して

8月13日にAppleストアからフォートナイトがガイドライン違反のため削除されました。9月現在もまだAppleとEpic Games(フォートナイト開発元)は係争中で、まだフォートナイトは削除されたままです。
少し時間が経ってしまい今更ですが、今回はその件について書いてみたいと思います。

経緯
他でも詳しく書かれていますので、ここでは簡単にまとめると
1.Appleストアで出すアプリに関して、発生した課金は30%をAppleに支払わなければならない
2.これを不服としてEpic Gamesがフォートナイト上の課金方法として、今までのApple支払いを迂回して、Epic独自の支払いルートを実装した。そのルートで支払いすると通常より安くなる
3.Appleストアのガイドラインではアプリ内のコンテンツに対して、独自の課金システムを持つことは違反なので、フォートナイトを即時にAppleストアから削除した
4.即時削除はやりすぎってことで削除を取り消すようEpicがAppleに対して訴訟を起こした

今回の係争で
 Epic Gamesはルール違反したんだから削除されて当たり前でしょ。
とか
 プラットフォーム(Appleストア)に乗っておいて、突然支払いしませんっていうのは泥棒と一緒
といった意見を見ました。これはちょっと違うのではないかと思い、今回の記事を書くことにしました。

また
 これは、大株主のテンセント(中国)とアメリカの戦いだ
といった米中戦争的な見方でみる意見もよくありましたが、おそらくそんな側面は無いと思います。Epic Gamesの筆頭株主(50%)はCEOのティム・スウィーニー氏であり、Appleに対する不満や主張はこのティム・スウィーニー氏のものだからです。

ポイント
この件のポイントは、Epicの交渉のやり方に問題があったとかではなく、Appleストアの30%は高すぎでしょってとこです。
しかも価格交渉の余地はなく、嫌ならAppleストアで出さなければいいじゃん、とプラットフォームからの締め出しを受けてしまいます。市場独占状態にあたるのでは、、といった問題です。

例えば月に10万円程の売上のソフトから3万円取るのはプラットフォーム利用料として取るのであればまだ分かりますが、フォートナイトのように毎月100億円近くあがる売上から30億円を利用料として徴収されると、納得がいかないと思います。
Appleストアの運営費・ソフトの審査費用になるとして、1つのソフトから30億円は取り過ぎです。一律30%ってところに問題があるかと思います。

Appleは世界で3番目にゲームで利益を上げている。」「しかしAppleはゲームを作っていない」とティム・スウィーニー氏は言っています。

本来、ゲームの売上は開発者に行きわたるべきで、その費用を元にソフトの改善費や、次のソフトの開発費に充てられるべきです。
それが消費者への利益にも繋がります。Appleストアがより良いものになってほしいと思ってフォートナイトに課金している人はおそらくいません。

何も開発していないプラットフォーマーが3割もの売上を貰っていくというのは、非常に不健全な市場になっていると思います。
Appleは何もしなくても毎月莫大な費用が入ってきます。そうなってくると昔みたいなイノベーション精神を持つことは難しくなり、衰退していくのではないでしょうか。Appleのためにもならないように思います。

まとめ
今回の訴訟はEpicが上記の問題に対して、開発者や消費者のために戦ってくれていると受け止めています。Appleを相手に小さな企業や個人開発者では相手にならないからです。
私たちはEpicのガイド違反を悪と見るのではなく、プラットフォーマーが一番儲かっている不健全な市場を悪と見るべきなのではないかと思いました。

※今回の記事はApple側の主張を省略しており、ややEpic寄りの視点で書いてますので、公平な視点では細かいところで誤りがあるかもしれません。

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