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『DOGMAN』 第4話 散歩

ドッグフードを食べて満腹になって横になっていたら、チャミーも満足したのか愛想を振りまくだけ振りまいて帰っていった。いわゆる八方美人てやつか。ゲンキンなやつ。

「リャン、散歩行くよ。」
お!まぁちゃん。
散歩?アホくさ。それは暇になって何もやることがなくなって気分転換にすることだ。過保護なことはよしてくれ。

自分の意思を貫こうと思ったが、首につけられている紐を引っ張られ、無理やり小屋から引きづり出された。

しゃあない。付き合ってやるか。街の様子も見れることだし。

俺はまぁちゃんの歩く歩幅に合わせ、ついていくことにした。
街はいろんな匂いがする。焼肉の仕込みの匂い、喫茶店のお茶っぱの香り、オレンジの木のオレンジの匂い、川の匂い、アスファルトの匂い。

里山と違って、刺激があるな。

「今日はね、ゆうくんが退院する日なんだよ。ゆうくんが病院から戻ってくる日なんだ。今日の夕方には会えるかな。ゆうくん、リャンに会えるの楽しみにしているよ。」

ゆうくん?兄弟の話か?

「あら、まぁちゃん。ワンちゃん飼うことにしたの?!すごい!」

突然女の人がまぁちゃんに話しかけてきた。眼鏡をかけていて上品そうだ。ベビーカーと、毛むくじゃらの犬を連れている。

「アキさん!そうだよ、リャンて名前にしたんだ!アキさんの友達のリャンピンに雰囲気が似てるから、そういう名前にしたんだ。」

「へー!いいね!ラッキーも友達ができて嬉しいって、喜んでるよ。」

ラッキー?あぁ、この毛むくじゃらの犬のことか。
しかし、リャンピンて、どこかで聞いたことあるような・・・。

昔、大陸を越えて修行に行っていた頃、周りからはリャンピンて呼ばれてたな。

その時に会った女に似ている・・・。
しかし、そんなはずはない。だって、その女はその大陸の格闘技チャンピオンだ。


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