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第11話 その夜、夢を見た。 冬の寒い夜だった。冷たい廊下に正座する母の隣で、裸足の足をこすり合わせる。 玄関が開き、父の姿が現れた。黙ったまま差し出される外套とカバンを母が受け取る。 「お父さん、見て! 僕、学校の将棋大会で優勝したんだよ」 小さな賞状を差し出した。教科書の間に挟み、折れないように大切に持って帰ってきたものだ。 しかし父は一瞥もせず私の前を横切り、廊下の奥に向かって大股に歩いて行った。母が追いかける後ろから私もついていく。 「僕がク