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ホロぐら考察【さっき廊下で見つけてきたの】

サムネイル引用【アニメ】さっき廊下で見つけてきたの

今回考察するのも頓痴気回として有名な【さっき廊下で見つけてきたの】です。ほのぼのとした日常から始まり、途中からおかしくなります。最初の部分は説明は不要かと思いますので、事務所に川が流れるところから始めさせていただきます。

では。

ルーナの「ここはひとつ、水に流して欲しいのらよ」の直後、事務所の中に川が流れます。しかも、腰の高さくらいの激流です。そしてこの時、スバルの右側にフレア、左側にルーナがいますが、一瞬にしてルーナはフレアの隣に移動し、背中を見せていたのに今度はこちらを向いています。はい。瞬間移動です。では、ルーナが特殊な能力者なのかと言うとそれは違います。今回も超能力としか説明出来ない様々な現象がありますが、全てギャグですので割り切って観るしかありません!ルーナの瞬間移動に関しては、川が流れ、そこをホロメンが流れていくから位置的に邪魔だったからどけた、という話の都合だと思われます。小ネタですが、棚の上に70%カニのワニがいます。

次に、ロリミオが流れてきて、その後にるしあが流れてきます。るしあが「アイドル戦国時代荒波には負""け""な""い""根""性""!!!!」と決意を表明します。アイドル戦国時代とは昨今のVTuberブームで数万人を超えるVがファン獲得の為に日々配信を頑張っていることを指していて、負けない根性に濁点が沢山付いているのは俳優の藤原竜也さんが迫真の演技で台詞に濁点が付くのをパロディしたものだと思います。るしあさんも初号機と呼ばれる絶叫を披露していますので、ネタとして被せやすかったのでしょう。

そこへフレアが「るーるるる」と声をかけます。これは『北の国から』でキツネを呼ぶ時に発する呼び声で、るしあにるがあるからなんとなくるしあを呼んでいる感じがするので使われています。また、スバルから「流れていくヤツにかける言葉か?」と突っ込まれているので、さよなら等の別れのニュアンスではないことも確実です。

背景が事務所から真っ白な空間になり、流されて楽しむロリミオ。ここでフレアが動きます。「ソーメンも一緒に流れてぇよな~?」とラーメンを二つ流します。スープの色から醤油ラーメンであることがおわかりでしょう。何故二つかと言うと、流されたロリミオとるしあの分だからです。また、この台詞ですが、「流れてぇよな~?」と問い掛けている相手は誰か?文法的にはソーメン(ラーメン)になるかと思われます。スバルに言うのならば「ソーメンも一緒に流してぇよな~?」になりますので、この台詞はフレアのソーメン(ラーメン)に対する気遣いであることがご理解いただけたかと思います。間髪入れずにスバルから「コシが違うぞ??」と疑問をぶつけられ、「麺だけにな~~~~????」とどや顔で返します。このコシは勿論麺のコシ(粘りや弾力)であり、ソーメンと言いつつラーメンを流していることへの突っ込みです。「麺だけにな」は駄洒落で、「パンを食べてお腹パンパンだよ。パンだけになぁ!」みたいな使い方です。

次のシーンでは話に乗っかってきたルーナが「確かにこの滝登り、余程の足腰でないと容易ではないのら」と言います。滝登りとは何か?その答えの半分は、ことわざの鯉の滝登りです。立身出世を意味することわざですが、ここではことわざとしての使い道はありません。鯉という魚を臭わせることが大切なのです。残るもう半分は実際に滝登りをするからです。ルーナは「シャケ!!シャケ!!シャ」「オ"ッ」と、滝登りをしようとして腰を壊します。この時、ルーナは鮪の姿でシャケと叫びながら鯉の滝登りをするという、三つの魚を出しているんです。フレアの「見ろ、姫は腰をイワシちまったらしい魚だけになぁ~~~~????」で、鰯が出てきて、計四つの魚がこのやり取りの中で使われました。テンポの良さが気持ちいいですね。そしてこの鮪なのにシャケと叫ぶズラし方は前回の【絶対に許さない!】でも用いられていましたね。

次のシーンではロリミオの「おしゃかなおりゅにょん??(お魚いるのん?)」に反応して巨大なホタテの中からフブキが登場します。「ギョギョギョ!!!魚介類っていう大きな枠組みで、自分いっすか?」の「ギョギョギョ!!!」は言わずもがなさかなクンの言葉として有名ですね。そして、魚介類の枠組みで扱って欲しい理由は明白で、魚がいると知って嬉しそうなロリミオに気に入られる為です。じゃあルーナみたく魚になって出てこいと思いますが、貝であることにもきちんとした理由があるので該当のシーンで説明します。

次に、フブキの頭の上に小さなフレアが現れ、「急ブレーキにご注意ください~」とアホ毛を引っ張ります。「そげなことすっと...!」と慌てるフブキ。「そげなこと」って何だろうと検索してみましたが、「そんなこと」に近いニュアンスです。何処の方言か調べたのですが、東北や鹿児島、広島等複数がヒットしました。複数の地域で同じ発音に訛っているって方言って面白いですね。

場面が変わり、海岸らしき場所ですいちゃんが涼しい顔でモーニングスターを振り回しています。「今日はご飯がたんまり流れてくるべ」とちょっと嬉しそう。ルーナが「人食い鬼は実在したのら」と言います。鬼?そういえば青髪でモーニングスターを振り回す鬼の女の子が出てくるアニメがありますね、『Reゼロ』って言うんですけど。まあ、これは流石に深読みし過ぎですね。モーニングスターじゃなくて『ガンダムハンマー』ですこれは。

続いて「る~は食べても美味しくないヨォ~」と命乞いするるしあ。そこに「お前はカブトムシの餌だから」と伝えます。るしあの「ん?それは甘いってことやろか???」でこの一連の会話は終わりますが、何故カブトムシなのでしょうか。それを説明するにはまずすいちゃんがるしあを食事としては見ていないという前提があります。美味しくないと言うのを真に受けたのかも知れません。或いは、初めから決めていたのかも知れませんが、ペットの餌という選択肢を選んでいます。しかしここで、それが犬とか猫の肉食の生き物なら笑いにはならない。だから人間を食べれない小さな生き物になります。尚且つ、次の展開の伏線も仕込まなければなりません。そこで選ばれたのがカブトムシです。では改めてこの三つの台詞の構造を見ると、「る~は食べても美味しくないヨォ~」「お前はカブトムシの餌だから」ここで食べるのがすいちゃんからカブトムシにズレます。そして、「ん?それは甘いってことやろか???」の部分で、「カブトムシに私が食べれるか!」という真っ先に出る発想を逆転させて「カブトムシが食べるってことは私は甘いのか?」という発想へズレさせます。この二段階のズレがわかる人には面白い。ただ、わからない人には何が面白いかわからない。こういうハイドラマ的な作りは、わからないから面白くない、もう見ないとなりがちなんですけど、ホロぐらってテンポ良く疾走していくからか、よくわからなくてもついつい見ちゃうって方いますよね。今のはギャグなのか?と考える暇もなくわんこそばみたいに次々出されるから脳がバグるんですよ。正直、私もスクショして台詞を一つずつ分解して初めて気付くことばかりです。

続いて、フレアが「貝が回転してる...ってね~~~~~~!!!!」と駄洒落を言いながらロリミオをサボテン(組体操)しながらやってきます。この時、回転しているのは足場となるフブキであり、彼女が魚ではなく貝だったのも、貝が回転という駄洒落を入れる為だったのだとわかります。そして直前のカブトムシ、細かく説明すると著作権に触れたりややこしいので察して頂きたいのですが、カブトムシと言えば回転木馬を連想しますよね。直接的に回転木馬を出さずに別の回転するものに替えて駄洒落をプラスする、お洒落ポイント高めです。

「止まれええ!!」と叫ぶすいちゃんの背後にぬるりと回転するフブキがカットインします。「嬢ちゃん...この破竹の勢いを止めるのは野暮ってもんだぜ」と言うフブキ。止めたい対象が背後まで来ているのに何故すいちゃんはまだ前を見ていたのかは突っ込んではいけません。画面の面白さが優先なのです。ここでは破竹の勢いを説明しましょう。辞書によれば猛烈な勢いで進むこと、とあります。はい、以上です。

次のシーンで回転するフブキ達は門松らしきものにぶつかって爆発します。爆発には火薬が必要ですが、ホロぐらではトランプが爆発したりするので、画的に爆発した方が面白いから爆発したと納得してください。門松の爆発を見たすいちゃんが「竹でできたマイホームがぁあああああああ!!!!!!!!」と叫びます。フレアよりも小さいサイズの門松なのにマイホームである筈がない。だからこそクスッとなるシーンです。

ここから連続でスバルの「猛々しい貝だぜ...!!」、ルーナの「思わず首ったけなのら...!!!」、るしあの「すいちゃんの雄叫びも流石だぞ...!!」、フレアの「"たけ"だけにね~~~~~~!!!!!!!!!!!」の所謂竹コンボが炸裂します。聞き慣れない言葉なので先に説明しますが、首ったけは相手に惚れ込んで夢中になることです。では、本題に入ります。この竹コンボですが、それぞれの台詞に隠された意味が無いか調べてみましたが、全く見つかりませんでした!見落としていたら申し訳ありませんが、単に"たけ"のつく言葉からこのシーンに合うものを並べただけかなと。実はここで注目したいのは別のことで、この竹コンボでは画面が下手から上手、つまり左から右へと動きます。ここまでは右から左へ川が流れ、人が流れ、貝が回転していったのに、ここだけ画面の流れが反対になります。これは冒険や挑戦を意味します。つまり、この竹コンボは動画製作スタッフの挑戦なのです。今では頓痴気回名物になっていますが、スタッフの苦悩が滲み出た画面作りです。

ここから先は"落ち"コンボがあるだけなので考察はここで終わろうと思います。最後に、何故ホロぐらが面白いかの説明をさせて頂きます。その理由は簡単で、中身が無いからです。中身が無いとは、成長が無いものです。『ドラえもん』の『のび太』だって、私達が子供の頃見たアニメと今のアニメで性格が大きく変わっていませんよね?他にも何十年も続く作品がありますが、主人公は成長せずに同じことを繰り返して同じようなミスをして、それでいて子供にでもわかる簡単な話ですよね。こういった視聴者に教訓も何も与えないけど、見ていて楽しいものの条件の一つが中身が無いことなんです。ホロぐらのスタッフは絶対に意識しています。でなければ、ここまで中身の無い話を大量生産するのは難しい。アイドル事務所に方向転換したのだから、普通ならホロぐらでもアイドルとして成長していくストーリーをやりたくなるじゃないですか。それを一切捨ててギャグに全振りして夏にホラーをちょっと出すだけなんですよ。意識して中身を無くしているとしか考えられません。流石ホロぐら。これからも楽しい作品を期待しています。ここまで読んで頂き誠にありがとうございました。また次回お会いしましょう。

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