長い夢

まだ「きのう」会った肌触りがあるから
近くに感じるよ
今ごろ誰と笑っているのかなとか
ご飯食べているのかなとか

彼は何者だったのだろう
子どものようにかわいくて愛おしかったよ
腕枕してもらって髪を梳いて撫でられたこと
気持ちよくて幸せで抱きついて
ずっとそうしていたかった

ハグしてゆらゆらしてくれたことも
優しさと包容力のかたまりだったな

途中からお互いどうしていいのか
わからなくなってしまったね

帰りには戸惑ってしまうような感じで
次にいつ会えるのか
会う約束をしていいのか
だんだんとわからなくなっていったね

ずっと一緒にいられるわけのない関係だから
もちろん多くは望まなかったけど
夢を見せてくれたね

わたしも夢を見せてあげられたかなぁ

一緒にいるときが永遠だった
肌を重ねてくっついているときが
温かくて幸せで永遠だった

これまでだって私は
たくさん永遠を見てきたはずだけど
こんなに幸せなのはなかった

夢を叶えてくれてありがとう
長い夢を見せてくれてありがとう

夢から覚めるか覚めないかのところで
わたしはまだ漂っています

「きのう」が「おととい」になって
どんどんと過去になっていってしまうことが
今はとても悲しい

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