星の王子さま 3章
箱の中の羊のおかげで、王子とその星の様子が分かり始めます。
「それでは、あなたも空からやってきたんだ!あなたの星はどれなの?」
二人とも、空から落ちてきたのでした。
★ ★ ★
彼がどこから来たのか分かるまで時間がかかりました。星の王子さまはわたしにたくさん質問をするのに、わたしの質問には耳を傾けないように見えました。たまに口に出された言葉が少しずつ全てを明らかにしていったのです。こんな風に彼が最初に飛行機を見たときに尋ねたのでした。(わたしは飛行機は描きません、とても難しいからです。)
「そこの物は何?」
「これは物じゃないよ。これは飛ぶんだ。これは飛行機。わたしのだよ。」
そして、わたしが飛べることをすごいだろうと言ったら、星の王子さまは大きな声で叫びました。
「なんてことだ! 空から落ちてきたんだね。」
「そうなんだよ」と、ゆっくり答えました。
「わぁ、なんておもしろいんだろう。」
星の王子さまの大きな笑い声で、わたしはとてもイライラした。この不運を深刻に受け止めて欲しかったのです。そしたら、王子はこう言いました。
「それでは、あなたも空からやってきたんだ!あなたの星はどれなの?」
この時星の王子さまの出現の秘密に明かりが点されたように見えたので、ぶっきらぼうに尋ねました。
「それでは、ほかの星から来たのだよね?」
でも、星の王子さまは何も答えませんでした。わたしの見つめながら、ゆっくりと頭を振って
「ほんとにね、これでは、そんなに遠くから来たとは思えないね・・・」
星の王子さまは長い考え込んでいた。それから、自分のポケットから羊の絵を取り出してその宝物をじっと見つめていた。
他の星と打ち分け話のような事にどれほどか、考えさせられたかお分かりいただきたい。もっとそのことを知りたいと思いが募った。
「君ね、どこからきたの? 僕の所ってどこ?どこへ、羊を連れて行くの?」
星の王子さまは、静かに考えた後、わたしに答えました。
「あなたがくれたあの箱はとってもいいね。夜には羊を守る家になるから。」
「もちろんだね。あなたがいい人だったら、わたしは一日中つなぎ止めておくロープもあげましょう。それに、つなぎ止める杭も。」
この申し出は、星の王子さまをいぶかしがらせた。
「つなぎ止めるって?なんておかしな思いつきでしょう!」
「でも、そうしないと羊はどこへでも行ってしまうから、迷子になってしまう・・・」
すると、星の王子さまは初めて微笑みました。
「でも、羊がどこに行くと思ってるの?」
「どこへでも行ってしまうよ。どんどん前へと・・・」
すると、星の王子さまはいかめしい調子で指摘した。
「それは問題ないよ。僕の所はすごく小さいからね!」
「まっすぐに行ってもそんなに遠くにはいけないから・・・」
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