見出し画像

星の王子さま 5章

広島市植物公園のバオバブをsakuさんが紹介して下さっています。

バオバブって何て愛らしいのでしょうか。
この物語の中でのバオバブとは全くの別物のように感じます。
恐ろしいと言われているバオバブの木とは、フランスを占領下に置き、サンテクジュペリをアメリカに追いやった、ナチスドイツの事だったのでしょうか。
            ★ ★ ★
 日を追うごとに、星の王子さまの星のこと、別れと旅についていくらかは分かるようになっていった。じっくりと彼のことを考えていたときに、少しづつ分かってきたのでした。そして、3日目に、バオバブの悲劇を知りました。
 そのときも、また、羊のおかげで、まるで重大な疑問を抱えているみたいな様子で、星の王子さまは急にわたしに質問をしました。
「羊が小さな木を食べるというのは、本当のことなのですよね?」
「そうだよ、本当のことです。」
「ああ、それはうれしいな。」
 彼にとって羊が小さい木を食べることがどうして重要なのか、わたしには分かりませんでした。でも、星の王子さまはさらに言いました。

「要するに、羊たちはバオバブも食べてしまうと言うことなのですね?」
わたしは、バオバブは小さな木ではなくて、聖堂のように大きく、象と間違うくらいだよ、それにたとえ象の群を連れてきたとしても、一本のバオバブの端っこくらいしか食べられないことを注意しました。
(象の群の考えが星の王子さまを笑顔にした。)
星の王子さまは象の群のことを考えて笑った。



「象を積み重ねないといけないよ。」
「でもね、バオバブだって大きくなる前には、小さかったよね。」
「それにしてもどうして君は、羊に小さな木をたべて欲しいの?」
王子は、それが当然であるかのように、「よくみてごらんよ。」と答えたのでした。それで、このとんでもない問題を一人で、考えなければならなくなったのでした。
その結果、彼の星も他の全ての星と同じように良い草も悪い草もありました。良い草からは良い種が、悪い草からは悪い種が生まれた。でも、種は、目には見えない。 種のひとつが気まぐれに目を覚ますまで、土の中で眠っている。


そして、種は最初は遠慮がちにお日様に向かってバラや二十日大根の細い芽吹きがある。そんなときはそのままにしておけばいいけれど、悪い植物とわかったら、すぐにその芽を引き抜かないといけません。王子さまの星には恐るべき種があるのです・・・ それは、バオバブの種です。星の地面にはびこります。もしも、抜き取るのがあまり遅くなると、どうやっても片づけることができなくなってしまいます。根っこが星に穴をあけてしまうのです。もしも、星がとても小さくて、それにバオバブの数が多かったら、星はバラバラになってしまいます。
これは訓練の問題なんだよね。と星の王子さまは後になってわたしに言いました。朝の身支度が終わったら、星の身支度を丁寧にしないといけないんだよ。はじめはとてもバラと似ているのだけれど、バオバブだと分かったらすぐに引き抜かないといけない。とても、退屈だけれどとても簡単な仕事なんだよ。

ある日のこと、わたしの星の子供たちの頭にうまくはいるように、いい絵を描いてはどうだろうかと勧められました。「もしも、ある日旅に出たら役に立つことでしょう。仕事を片づけるのがとても遅くなってもあまり不便じゃないことも時々はあるでしょう。でも、もしもバオバブが活動しているとしたら、それはとにかく破滅なのです。ぼくは、ある不精者が住んでいた星を知っています。3本の小さな木をそのままにしていたのでしたが・・・」
そして、王子さまの報告によって、この星の絵を描いたのでした。わたしは、人間研究家が戦争について語る調子が好きではありません。でも、バオバブが危ないことはみんな良く知らないので、一度だけ自分の主義を破って、この宇宙にさまよう星がどれほど危険なのかを言います。


「子供たち!バオバブには気をつけて!」 それは、長い間近くにあった危険を友達に知らせるためなのです。私もほんとに知らなかったので、苦労してこのデッサンをしました。どうして、この絵みたいにこの本のほかにこのバオバブみたいに堂々としたものがないのかですって?その答えはとても簡単だよ。巧く書こうとやってみたんだけど、巧く行かなかったのさ。このバオバブの絵を描いているときには切迫感に突き動かされていたんだよ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?