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#1 卑屈と寂しいの違いはなんですか

こんばんは。今日案の定卑屈に生きてるしずくです。
卑屈なのか寂しいのかよくわかりません。

これはフィクションであり、ノンフィクションです。

私の職場は女の人中心でまともな出会いは期待値ゼロ。
8年一途に付き合った彼氏には振られ、その後もまともに続きませんでした。
最後に付き合った人に言われた

俺、追いかける恋より追われる方が楽だって気付いたんだよね

がなんだか腑に落ちませんが。

それから私は腹いせにマッチングアプリを使って、人に求められるがままにその場限りの時間を費やすようになって、そして別れた後には必ず孤独と虚無と後悔を繰り返しました。

ホワイトデーの夜に

そんな日々を一変させたのは、ホワイトデーの夜。

きっとお決まりのコースだろうなと食事をして、いつもはマスクにつくから、と言ってしなかったリップを今日だけはなぜかしっかり塗って、何か変わるか、何も変わらないか。自分の中でしか完結しない賭けみたいな気分だった様な気がする?確か。

食事が終わって「これからどうする?」のパターン。
どうせ決まってるんでしょ、とか卑屈になってたら

「女の子だから2人きりになるの嫌かもしれないでしょ。しずくが決めていいよ。明日の朝また会うでもいいし」

え、私?

いままで会った人とは何か違った。まるで私に主導権があるみたいじゃん。

この時、いかに自分が他人にの言うことをはいはい聞いて、自分の芯がないというか、自分のことを無下に扱っていたか気付いてしまった。

そして彼は、私の意見を尊重してくれた、少なくともそう言う姿勢を見せてくれた。

こんなの私の経験にあるわけなかった。
尽くすことが恋愛だと思って疑わない。相手が喜んでくれれば自分は二の次でいいの。いいの気にしないで。

私の中で彼は今までで一番誠実で
一番自立してて
私を、ただの女。じゃなくて
私を私として見てくれた唯一の人。

「話してて楽しいから、もっと一緒にいよ」

初めて自分から、一緒に夜を共にして、喋り倒して、もっとあなたのことが知りたいと思った。

彼がタバコの吸い殻を灰皿に捩じ込んだ反対の手をとって繁華街の点滅する交差点を駆けた。

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