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教えて!!高卒裁判所職員て、どんなお仕事しているの?

みなさん

高卒で裁判所に就職すると、どんな仕事をすると思いますか?

「裁判所職員といっても高卒で就職しているのだから、コピーとったり、お茶くみしたり、仕事らしい仕事って、していないんじゃないの?」

と思っていたりしませんか?

実は裁判所は学歴による仕事の差はないんです。

大卒であろうが高卒であろうが任される仕事は同じなんです。

※ただし、裁判所職員採用総合職試験(院卒者区分・大卒程度区分)で採用された人は違います。裁判所職員の総合職は採用人数が少なく幹部候補生として未来の裁判所を背負う立場にあります。
なので裁判所職員の総合職試験採用者は幹部候補生としての仕事を任されることになります。


ここで私の経歴を簡単に説明します。

・高校卒業後18歳の春に裁判所に就職

・24歳で結婚、25歳で長女を出産

・27歳~パニック障害発症

・昨年、パニック障害の悪化に伴い28年間勤めた裁判所を退職

そして現在にいたります。

どこにでもいる平凡な元高卒裁判所職員です。

この記事では高卒裁判所職員の28年間の経験にもとづき

高卒裁判所職員の仕事とは?

の疑問にお答えします。

私の職場体験を通して少しでも多くの方に高卒裁判所職員のお仕事を知っていただけたらと思います。

※この記事は高卒で就職を考えている全ての方にお届けします。


裁判所職員の仕事とは?

裁判所職員は日々、勉強です

裁判所職員の仕事の種類

裁判所の中の仕事については

過去記事で、ざっくりではありますが取り上げたことがあります。

今回の記事では、もう少し深く掘り下げてみたいと思います。

裁判所の仕事はいくつか種類があり

裁判部と事務局

に大きく分かれます。

裁判部

簡易裁判所 民事・刑事
・比較的、軽い事件を扱います。

地方裁判所は、民事・刑事
・個人や法人の争いまたは罪を犯した疑いのある人の事件を扱います。

家庭裁判所は、家事・少年
・親族間の問題や非行した少年の事件を扱います。

これらは裁判部と呼ばれ、その名の通り直接裁判に関わる仕事を行っています。

中心となる裁判官の仕事を裁判所書記官がサポートします。

さらに裁判所書記官の仕事を裁判所事務官がサポートします。

裁判所の裁判部に配属されると

裁判所事務官

として仕事を行うことになります。


事務局

総務
・裁判所の中の庶務の仕事を行います。

人事
・裁判所職員の配置や給料、裁判所職員の管理に関わる仕事を行います。

会計
・裁判所の予算の管理、裁判で使うお金に関わる仕事を行います。

こちらは事務局と呼ばれ、裁判部がスムーズに仕事を行えるように裁判部を支える仕事を行っています。

それぞれ総務課、人事課、会計課と呼ばれ課の中では係がいくつか分かれ、それぞれの係が担当の仕事を行います。

課をまとめ監督しているのが課長並びに課長補佐です。

その下の係長が係を監督します。係では係長を中心に係の仕事を係員がそれぞれ分担します。

裁判所の事務局に配属されると事務局〇〇課〇〇係の係員としての仕事を行うことになります。


裁判所事務官の仕事とは


裁判所に就職すると

・裁判部なら、裁判所書記官のサポート事務

・事務局なら、配属された課の係の担当事務

を行うことから始まります。

これは高卒であろうが大卒であろうが変わりません。

事務局に決まった人の中で、たまに聞くのですが

「せっかく裁判所に就職したのに裁判に関係ない仕事じゃつまらない」

という声です。

実は事務局の仕事は奥が深いのです。

事務局は裁判部と違い、裁判所事務官の判断で仕事を行えるのが特徴です。

裁判部の裁判所事務官には、あり得ないことです。

ちなみに

私は裁判所に採用されてから28年間、会計一筋で仕事をしてきました。

裁判所書記官を志して裁判部に異動を希望していた時期もありました。

ですが結果的に裁判所事務官として会計の仕事に関われて良かったと思っています。

事務局用度課採用~夏目愛子の新採体験談~

仕事の後に観た東京タワーキレイだったなぁ

高卒で裁判所に就職した私が最初に配属されたのは事務局の用度課(会計課)でした。

用度課という単語にあまり馴染みがないと思いますが

主に裁判所で使用する物品を購入する部署です。

私は18歳の高卒採用にも関わらず

・契約事務

・入札事務等

をいきなり担当することになりました。

先輩職員に教えてもらいながら毎日の仕事が必死でした。

アルバイトの経験すらなかった私は働くことそのものが裁判所が初めてだったのです。

正直何が何だかわからなくて、泣きそうな日々でした。

そんな私が大企業の営業部長クラスの人に、うやうやしく名刺を渡されるたびに

「高卒採用の18の小娘と仕事するの、きっとイヤだろうな…」

などと取引業者相手に卑屈な気持ちになっていたのを覚えています。

ですが、だんだん仕事に慣れていくうちに

高卒の自分がこんな大きな仕事を任せてもらっている!

という自負が芽生えてきました。

これは高卒で就職した場合、なかなか得られない気持ちだと思います。

また裁判部では活用しない会計法や契約事務における規則の勉強をすることができました。

事務局の用度課(会計課)に配属されたからこそできた貴重な経験でした。

ただ、もし裁判部に配属されたら、裁判官や裁判所書記官を通した貴重な経験ができたのではないかと思います。

どちらも裁判所に就職したからこそできる経験だと思います。


まとめ

・裁判所は裁判部と事務局がある。

・高卒・大卒関係なく最初は裁判部か事務局の裁判所事務官になる。

・裁判部では裁判所書記官をのサポート事務を行う。

・事務局では配属された課の係の担当事務を行う。

・高卒であっても学歴に関係なく貴重な経験が積める。

裁判所の仕事に高卒と大卒の差がないことをご理解いただけたでしょうか?

もし何らかの理由で大学に進学せず高卒で就職を考えている人がいたならば裁判所を是非おすすめします。

裁判所であれば高卒であっても大卒の人と変わらない経験を積むことができますよ。

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この文章を読むにあたって貴方の大切な時間をくださり、本当にありがとうございました☺️

2023.6.2 あいなつ


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