見出し画像

なぜ私が、組織開発パートナーを目指すのか 3


3 ダブルワークの日々

社会人2年目、私は母に誘われて一緒に茶道を習い始めました。
 当初は美味しいお菓子が目当てでしたが、面白さに目覚めてすっかり夢中になりました。
お茶室は和室が基本であり、着物を前提とした所作となっています。
 畳の歩き方も洋服と着物では足の運びの感覚が異なります。
母に着物を着せてもらっていましたが、何だか毎回仕上がりが違うようです。ちゃんと基本が知りたいと思いました。

 着付け教室に通い出した私は、講師の素敵な着姿にあこがれて、自分の着方だけでなく、人さまの着付けも学び、約二年間でプロになるための課程を修了したのです。
 平日は会社。週末はお客様の着付けを請け負う生活となりました。
 基本的に私が行かなければ、お客様はその日着物が着れなくなる、という代わりのいないお仕事。
 緊張します。
派遣されるのは契約の店舗ですが、初めての場所も多く、約束の時間に辿り着くだけでほっとすることもありました。

 最初に一人で仕事に行った日を忘れません。技術は未熟ながら、その分情熱だけはハイレベル… ミスはしましたが、お店のご担当者に助けて頂き無事お客様を送り出したのです。

 幸いクレームもなく約三年後、私は誘いを受けて母校の着付け教室で講師となりました。こちらは平日の夜の枠です。
 会社を定時にあがり、すべり込むように着替えて講師となり、生徒さんを迎えなければいけません。

 残業をする時間はないです。もう昼間の業務はつめつめ。
どれだけ効率よくこなすか、工夫の仕甲斐がありました。
 
 多い時で週に三日、授業(ひとコマ約2時間)を受け持っていました。若さですね。今はそんな働き方できません。

 現在と異なり、ダブルワークは禁止でした。
就業規則に反しますので、周囲にオープンにすることはできません。
 さすがに直属の上司には事情を話していましたが「裁判になっても不利にならないように」と助言されました。

 そんな状況で社内を見廻すと…

「残業はもっと減らせるんじゃないかな」

 非効率だったり、お付き合いだったり、もしかしてもしかして手当が目当てなのかしら…?

 と、思えども、規則違反の身では口に出せるはずもなく…
せっかくの気付きも活かされないのでありました。


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?