支援学級の先生として見た、目の前の世界って?
お久しぶりです!
前回の記事を書いてから思った以上に期間が空いてしまいました。多分性格上こうなってしまう・・。
ちなみにMBTIはESFPです。やっぱり短所出ちゃってる??
そして、ホンジュラスに来て4ヶ月が経ちました。人の優しさに助けられ、家の水がなくなる恐怖に震えながら楽しく過ごしています。
今回は学校の現状と私がやってることについてすこーしお話ししていきます。
前提として、ホンジュラスの特別支援教育について、みじかーくお話しします。
ホンジュラスには約3万人の障害を持つ子ども達がいると言われていますが、特別支援教育を専門とする教員は1500人しかいません。(2022年度時点ですが・・)
学校に行っても十分な教育を受けることができない・そもそも教育へのアクセスが制限されている子ども達が沢山いるということですね。
全ての面において、まだまだこれから!という段階にあります。
参考に・・(ホンジュラスのオンラインニュース)↓
私自身もまだまだこれから!という段階ですので、特別支援教育分野のプロフェッショナルな方々は、は?と思われる場面もあるかもしれませんが、温かく見守っていただけたら幸いです。
1.ホンジュラスの支援学級ってどんな感じ?
私の学校は市内で唯一特別支援学級があり、県のインクルーシブ教育パイロット校にもなっています。
支援学級には、脳性麻痺・小頭症・ダウン症候群・知的障害・発達障害(自閉スペクトラム症・学習障害)・聴覚障害を持つ生徒達が通っています。市内唯一ということもあり、他の小中学校から通っている生徒もいます。(通っている生徒は全員が自身で歩行可能で、身体面の支援は必要ないです。)
ほとんどの生徒は週に1回1〜2時間支援学級で過ごし、主に読み書きの学習をしています。日本でいう国語のような授業ですね。その他の時間は普通学級で他の生徒と一緒に学習をしています。
支援学級で生徒の持つ障害特性について観察・評価し、生徒に合った学習方法を検討しています。
「インクルーシブ教育」を普及させることが、この学校の役割でもあるため、他校を含めた普通学級の先生へ生徒の評価内容を共有し、生徒が積極的に学習できる環境の構築を促しています。
2.これは一体・・どうなんでしょう?
障害を持った生徒達がしっかりと学習できる環境があることは、本当に素晴らしいことだと思います。ただ、ここですこーし疑問に思うところがあります。
それは、生徒数が多すぎること・・
他校の生徒も合わせると、100人を超える生徒が分散して支援学級に来ています。1回の授業で5人を超えると、生徒1人1人にかける時間も短くなり、それぞれの生徒の観察なんて難しかったりします。あと私自身も生徒のことを覚えられない・・それは頑張れという感じですが。
そして、100人全員が障害を持っているのかというと、そうではないんです。
普通学級の先生が、
「あれ、この子字書けないし、読めないじゃん。学習障害があるかもしれない!支援学級に行ってもらわないと!」
という感じで、生徒に支援学級へ行くことを勧めちゃうわけです。
実際に支援学級に来た生徒は確かに単語の読み書きが難しい場合が多いです。
でも、これには理由があるんですよね。
新型コロナウイルスが流行っている期間中、ホンジュラスでも学校が閉まっている時期がありました。その間、生徒達は自宅で学習せざるを得ないのですが、親が子どもの学習を手伝った家庭とそうでない家庭では、生徒達の学習状況に大きな差が出てしまっています。
1〜2年分の勉強内容がすっぽり抜けている生徒達は単語や文章を読めない・書けない、という状況になっているわけです。
日々の授業はホワイトボードに書かれている内容をノートにただ写す作業をして過ごしているらしい・・。
そのため、学習障害であるか?と問われると、そうではないことの方が多いです。これは親の支援が少なかったこと、そして普通学級の先生の理解が不十分であることが影響しています。
日々の学習をしっかりと継続できれば、この問題は解決できるのではないかと思います。
ただ、これは支援学級の先生ではなく、普通学級の先生達が頑張っていくべきところだと思っているので、普通学級の先生へ「障害」に対する理解の普及も必要であると改めて感じています。
3.ほんで今何してるのよ?
じゃあ、あんたは今何やってんのよ、ってところですね。
読み書きの授業に関しては、正直私が受けたいぐらいですし、日本でいうと外国人が国語を教える、みたいな感じになるので、どないやねん、ってところです。
私は小さい子どもがまず最初に覚える動物の単語すらわからないときがありますので・・勉強しよ・・。
ここに関しては同僚がほぼ行っています。
私は思考力や記憶力、創造力などの様々な知的能力を育てるという面で、パズルや折り紙、塗り絵などを子ども達と一緒に行っています。また、一部の生徒には算数も教えています。
教室から出ようとする生徒・泣いてしまう生徒・お母さんの言うことしか聞かない生徒、隠れる生徒、本当に様々な生徒がいます。
あわわわわ、汗汗汗汗みたいな状況が続くことが多いですが、日々生徒達と向き合っています。
そんな中でこの子達に必要なことって何だろう?といつも考えています。日本とは支援制度・生活環境が異なることを理解した上で、日本の特別支援教育の良いところを活用していきたいですね。
ホンジュラスに来て、私自身が学ばせてもらっていることが本当に多く、正直まだまだ自分何もできてへんな、と思うことが多いです。
ですが、同僚は「あいの視点はすっごい大事だし、どんどん意見を言って欲しい。私の勉強になるから。」と言ってくれています。
私の同僚は30年近く教育現場に携わっていて、ベテラン中のベテランという感じの人です。そんな人からのこの言葉・・もう泣いちゃいますよね。
こんな素晴らしい(というか力強い?)同僚がそばにいてくれて、それだけで嬉しいです。
スペイン語わからなくて悔しい!!!!!!と思う日々でもありますが、自分ができることを積み上げていきたいですね。頑張ります。
ではまた〜
¡Que tenga un buen día!