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日本酒と私

日本酒との出会いは大学に入ってから。

20歳の春に初めて居酒屋に入った。

大学の飲み会だった気がする。

パソコンに詳しい先輩の隣で話を聞きながら、その先輩の勧める酒を次々と飲んでいった。なぞに酔わない。

そして出会った日本酒。

蒸し暑い空間に甘い香りとしびれる辛さ。

謎においしい。そう思った。

それから数年後、入った研究室の教授が日本酒が大好きだった。

教授は人脈があったのでたくさんの種類の日本酒が山のように届いた。

毎週金曜日は酒盛りだった。

実験の合間に突然呼ばれて酒盛りになってしまうこともあった。

学生のころから付き合っていた夫とはよく飲んだ。

よく居酒屋に行った。

酒代が高くそのために私たちはバイトに勤しんだ。

就職して結婚して子供が次々と生まれて味見以外で酒を飲む機会は今はない。

子供が早く寝たときに夫と二人で飲む機会を作りたいが子供の持病があり、いつ病院に駆け込んでもいいように中々酒を飲む気分にもならない。

我慢はしていない。

夫も日本酒が好き。

背中で寝ている娘が6歳になったらおいしい日本酒で夫とまた乾杯したい。


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