見出し画像

NVIDIA株が暴落する日がAI革命の本当の始まり


はじめに


今朝はNVIDIAの四半期決算の発表日でした。世界中がかたずをのんでみまもりました。好決算で日経平均株価の最高値更新にもつながりました。
今回はAI革命の本当の始まりのお話をします。

地球で一番価値のある株 NVIDIA

今回の発表までNVIDIAは四半期決算15回中14回まで市場予想を上回ってきました。最近は売り上げ前年比3倍、利益10倍、市場予想を上回る、というような決算発表でも株価は下げました。あまりの期待の高さに予想を上回ったのに失望売りされ、しばらくたって利益の伸びのすごさに改めて割安感を感じ、再び株価は上昇基調になる、という展開でした。
今回は発表後、すぐに株価は上昇し、AIの力を見せつけた形です。
上場後15年で10倍、その後の最近10年で150倍になっていますが、「地球で一番価値のある株」であるとともに、これだけあがっても「AI株の中で一番割安」と言われています。AI株のなかで途方もない利益をあげているからです。利益率は77%です。

NVIDIA株の動向(出典: https://investor.nvidia.com/stock-info/stock-quote-and-chart/)

NVIDIAの価値を作り出している原動力

NVIDIAの利益を作り出しているのは巨大IT企業のAI投資意欲です。世界で最も金持ちの企業が金に糸目をつけずにNVIDIAのGPUを買いまくっているのですから、あがります。
AIはデータをいれて計算に金をかければものになるということがわかってきました。そのため、巨大IT企業は争ってNVIDIAのGPUを買っています。自分が買わなければ競合企業に買われてしまいます。際限のない買い付け競争が起こっています。

GPU買い付け狂騒曲の終焉

画像生成AIや映像生成AIはともかくとして、大規模言語モデルに関していえば、GPUを買い付けて自前のモデルを作るのにどれだけ意味があるかは未知数です。

自前のモデルを作るのに意味がなければGPUを買い漁る意味はありません。

次のような原理が浸透すれば買い付け競争は止まります:

  • 学習結果を利用するだけなら桁違いに小さなGPUで済む

  • 生成AIの本質は学習しなかったことができる創発性

  • 学習に限界効用があり、限界に近づくと学習効率が劇的に落ちる

今は他の企業も投資しているから投資する、という、上がるから買うという投資行動と同じ群衆行動がみられています。これが止まればNVIDIAの成長も止まります。

AI革命の始まり

大規模言語モデル開発競争が起こるのは生成AIの本質がまだ見えていないからだと思います。

ITのイノベーションはだいたい次の3段階をたどります:

  • ハードウェア

  • ネットワーク

  • サービス

PCもPCベンダからISP(インターネットサービスプロバイダ)へ、そしてISPからサービスベンダへと覇権が映りました。モバイルインターネットも最初に儲けたのはネットワーク機器ベンダ、で次にモバイルキャリアが儲け、今はサービスベンダが儲ける時代になっています。GoogleやMetaが儲かるわけです。
AIの場合、ハードウェアとネットワークの両方をNVIDIAが持っています。しかし、やがて、サービスの時代がやってきます。顧客が求めているのはGPUではなく、GPUの上で動くAIが生み出す価値だからです。
今はNVIDIAの生み出す利益がOpenAIやMicrosoftをはるかに上回っています。これは本来は逆転すべきものです。
それが逆転することがわかった時にNVIDIAの株価は暴落します。そしてそれがAI革命の本当の始まりになると思います。

おわりに

日経平均の最高値更新はNVIDIAの四半期利益発表にかかっているという1日が始まりました。AI狂騒曲はまだまだ続きます。AI半導体が話題になっているうえはAI革命はまだまだ序章だと思います。

参考文献




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?