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暦と季節のお話〜夏至 末候〈半夏生(はんげしょうず)〉


2020年7月1日〜6日
二十四節気 夏至
七十ニ候 夏至末候 第三十候 半夏生(はんげしょうず)

2020年7月1日 雑節【半夏生】太陽黄経100度


 
かつて半夏生は、
夏至から数えて11日目とされていましたが、現在では天球上の黄経100度の点を太陽が通過する日になっており、毎年7月2日頃にあたります。

今年、2020年は7月1日でした。


 
農家にとって、ここは大切な節目の日
この日までに田植えを済ませ、このあとは田植えをしないという風習があります。
 
「半夏生前なら半作とれる」という言い伝えがあります。
田植えが遅れても、半夏生の前なら平年の半分までは収穫できるという教えです。

半夏生の後の雨は“毒”として敬遠される風習があった地域もあり、関連があるのかも知れませんね。


半夏(烏柄杓)とはなんでしょうか?

サトイモ科の薬草、カラスビシャク(別名ハンゲ)が生える頃だからという説があります。

またドクダミ科の薬草の名前で、ハンゲショウというものがあります。こちらは今頃に開花するからだとか。



また、一説には、ハンゲショウ(カタシログサ)という草の葉が名前の通り半分白くなって化粧しているようになる頃とも言われています。




この頃に降る雨を「半夏雨」(はんげあめ)と言います。
まさに今年もそうですが、大雨になることが多い時期。
農家さんも、この日から5日間(七夕までという地域も)はお休みとする地域もあるのだそう。
地域によってはこの頃の雨を「半夏水」(はんげみず)とも言います。

この時期に降る雨は「毒」と捉えていた地域もあり、作物に気遣ったり、井戸に蓋をする風習がある地域もあったそうです。

じめじめとした長雨は雑菌もわきやすく、身体にも負担です。

そういった点では確かに「毒」と捉えられるのかも知れません。

気を付けてケアをしたいものですね。


食の風習

半夏生にはタコを食べる習慣が拡まっていますね。

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関西を中心に盛んになったとか。

世界の食文化からみると嫌われることが多かったタコですが、日本では古くから馴染みがあります。

古文書に「タコ」が登場するのは、713(和銅6)年の『出雲国風土記』において。

また、鹿児島県指宿市、兵庫県明石市、大阪府堺市などの弥生時代の遺跡から、蛸壺と思しき器がまとまって出土されました。

ですから、現在正式に確認されているよりずっと古くから捕食されていたのではないかと言われています。


気になる!タコの栄養価は?

栄養価においては、現代では評価されることが多いタコ。

種類にもよりますが、おおむね低カロリーで栄養価が高く摂取しやすいと言われます。

👇含有されている栄養はざっとみただけでもこんなに👇

●ビタミンE
脂溶性ビタミンの一種。

活性酸素の働きを抑える抗酸化作用をもち、若返りビタミンとも呼ばれている。


●ビタミンB12
葉酸とともに、赤血球中のヘモグロビン生成を助ける働きをもつ水溶性ビタミンの一種。このことから、悪性の貧血に有用なビタミンと言われており、かきやレバーなどの動物性食品に多く含まれている。

★かきやレバーは食べ方や時期に知識が必要、すこしハードルが高い印象。家庭で調理しやすくお値段も手頃なタコは頼もしい素材ですね。


●亜鉛
人体の中で、骨格筋、骨、皮膚、肝臓、脳、腎臓などに分布する栄養成分

鉄も亜鉛と摂らないと吸収されないと言われます。

亜鉛の生理機能は、たんぱく質との結合によって発揮されます。

タコは高たんぱくですから、一種で『鴨葱』?サービス食材と言えるのかも知れません。


この他にも、

疲労回復で有名なタウリン

カリウム(摂取量を増やすことにより、血圧の低下、脳卒中の予防、骨密度の増加につながる)や、

リン(骨や歯、筋肉、脳、神経などの様々な組織に含まれ、エネルギーを作り出すときに必須の役割)

など、豊富な成分が含まれているそう。

高たんぱく低カロリー、その上栄養素豊富とは!

健やかな身体づくりに、とても良い食材と言えそうです。


この時期の養生ワンポイント!

アーユルヴェーダでは、夏至の前後は一年で最も“元気の素”が減少するときと言われ、より細やかで丁寧な養生が推奨されます。

インドと日本は気候が同じではありませんが、

日本の気候をみても、梅雨時期で長雨、晴れ間には猛暑となる日もあり、とても不安定。

雑菌もわきやすく、変わりやすい状況と状態に合わせた、丁寧な健康マネージメントが必要と言えます。

気候が違ってもアドヴァイスは同じように受け取って良さそうですね。

蒸し暑さは消化力を落としますから、低カロリー高たんぱくで様々な栄養が豊富なタコは、確かにこの時期に向いている食材のようですね!


その他の食の風習

●奈良県香芝周辺
大阪府南河内地方→「はげっしょ」と言う。
農家では小麦を混ぜた餅に、黄粉をつけて食べる。
田植えを終えた農民が農作業を無事に終えたことを田の神様に感謝し、お供え物をして共に食したことが由来とされている。

●讃岐の農村→うどんを食べる
★1980年に香川県製麺事業協同組合が7月2日を「うどんの日」に制定。

●福井県大野市→焼き鯖
★江戸時代に大野藩藩主がこの時期に農民に焼き鯖を振舞ったという逸話から。

●群馬県の一地方→ネギ畑に入る事を禁忌とする風習

●長野県小川村→芋汁を食べる。

●長野県佐久地域→「はんげにんじん、なわしろごぼう」と言って、ニンジンやゴボウの種を蒔く。

2020年7月1日


※資料 glico栄養成分百科他

『透明な栄養』をテーマに有形無形の造形活動をしています。ホリスティック~全体観~という捉え方を活動の基盤にしています。この捉え方は、いのちの息苦しさが紐解かれたり、改善される可能性をかんじます。noteでは日々の思考研究も兼ねて、この考えをもとに書いたものをシェアしています。