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イマここに生きる!オーガニックオーダー、暦のお話 〈白露 次候「鶺鴒鳴(せきれい なく)」>

2020年9月12日~16日

七十二候第四十四候  白露 次候「鶺鴒鳴(せきれいなく)」

セキレイが鳴き始める頃の意。

セキレイは、
近年では市街地にも姿を現し、スズメやハトと同じく、身近な鳥として親しまれています。シロクロで、スズメより少し大きく、鳩よりは小さくスマートなその姿、市街地に住む方も見かけたことがあるのではないでしょうか。

もともとは寒い地域の鳥で、日本では北海道や東北でしか見かけない鳥だったそうですが、時代とともに生息地は南下し、現在は西日本でも見ることができるようです。
もともとは、河川沿いや池、沼といった水辺を拠点としており、主に昆虫などを食べて生活しています。

そういえば、姿を見かける時は都心でも流水や池のある場所や、用水路だったとしても川のある場所だったなと思いました。

「チチチ」という声や、長い尾を上下に振りながら速足で歩く姿はかわいらしく、印象に残っている方も多いのではないでしょうか。


種類について

スズメ目のセキレイですが、実は名前がセキレイである種はなく、和名にセキレイが含まれるのはセキレイ属 (Motacilla) とイワミセキレイ属 (Dendronanthus) の種。

ただし、イワミセキレイ属はイワミセキレイの1属1種で、大部分はセキレイ属なのだそうです。

日本で普通に見られるセキレイは、セキレイ属のセグロセキレイ(固有種)、ハクセキレイ、キセキレイの3種。時々他に、旅鳥などで希に見られる種もあるのだそう。

それぞれに体色の特徴で名前がついているようですよ。

ハクセキレイとセグロセキレイは、見分けるポイントとしては、目の下の部分が黒か白かということ。
目の下が白いほうがハクセキレイ、目の下が黒いほうがセグロセキレイとなります。


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モノトーンの配色が美しく、歩く姿はかわいらしくて、出会うとうれしくなります。

(キセキレイは、黄色がすっと入っていて、こちらもきれいです)

冬毛は黒がグレーになるそうで、セキレイの姿で季節を知ることもあるのかもしれません。からだも、少し丸くなるのだそうです。


様々な呼ばれ方


長い尾を上下に振りながら歩くその姿から「石たたき」「庭たたき」などと呼ばれていました。

英名Wagtail(Wag:振る tail:尾)はその様子に由来し、中国名の「相思鳥」は雌雄が仲むつまじいからだと言われています。

この“仲睦まじい”に関連するような伝承が、実は古くからあるのです。


実は日本では古来より特別な鳥

日本書紀には、日本神話の国産みの伝承の一つにセキレイが出てきます。

日本を作ったとされる神、イザナギとイザナミ。

いよいよというとき、交わりの仕方が分からなかったところにセキレイが現れ、尾を上下に振る動作を見てその仕方を知ったという内容の異伝に関する記述があるとのこと。そこから「恋教え鳥」という別名もあるとか。

 婚礼の儀の飾りにセキレイの絵を飾ったり、調度に「鶺鴒台」(婚礼のときに供える床飾りの一つ。島形または州浜 (すはま) 形で、足は雲形。台上には岩を根固めに置き、鶺鴒の一つがいを飾ったもの)があるのはこのことに由来しています。

 また、日本各地にはセキレイにまつわる伝承があり、 神使以上に神に交道を教えた万物の師の意味を以てみだりに捕らえないという風習があるのだそうです。


この時期の養生

アーユルヴェーダの経典から教えて頂いた今時期の養生法に、まさにこのセキレイのエピソードとリンクするように感じるものがあり興味深く思っています。

漢方もそうですが、アーユルヴェーダも詳細に言うなら個々人で養生法は違います。ですから個人ではなく不特定多数に向けられたものは鵜呑みにするのではなく、基本的にこういうことがすすめられているのだなあというように捉えていくと良いのではないかと思います。

というわけでかなり意訳し、AHSH流のおすすめということで簡単に書くとこんなかんじです。

『清潔にしたお部屋に美しい装飾品を入れ、身ぎれいにして良い香りと自らを整える装身具を身に付け、心安らぐ人々と愉しく過ごす夕べは心身を大変養い、健康をつくるのにとても良いものである』

ということです。

過度な調度品や高級品をということではなく、『心地よさ』をキーワードに、無理のないものを揃えると良いのでしょうね。

心身を養い整えるのが最も大切で、高価なものなら良いわけではないと思いますし、逆に間に合わせで気に入らないものを置くのも避けたいところです。

満ち足りた思いやりある体験をしていくことが、お互いにとってとても大切。

過酷な日光や熱帯夜が和らぎ、過ごしやすくなっていく季節に、季節の実りを頂きながら、大切な人(もしくは人達)とゆっくりと語り合い、時を分かち合い、愉しむことで英氣を養い合えるなら、こんな嬉しいことはありません。

もしも感染症の影響で、いつも会えていたはずの家族や友人と会えないときは、自分のためにゆっくり過ごす時間を作って、自分の心身への労りを通して大切な方々へのいのりとすると良いかと思います。


20200913


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『透明な栄養』をテーマに有形無形の造形活動をしています。ホリスティック~全体観~という捉え方を活動の基盤にしています。この捉え方は、いのちの息苦しさが紐解かれたり、改善される可能性をかんじます。noteでは日々の思考研究も兼ねて、この考えをもとに書いたものをシェアしています。