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イマここに生きる!オーガニックオーダーの旅、暦のお話〈立春 末候「魚上氷(うおこおりをいずる)」〉

2021年2月13日~17日

七十二候 第三候 立春末候「魚上氷(うおこおりをいずる)」

割れた氷の間から魚が飛び出る頃

そんなシーンはなかなかお目にかかれるものではありませんが、どんどんと移り変わっていく自然のエネルギッシュな営みが感じられる詩句です。

この五日で春の幕開け立春は終わり、次の節氣に入ります。

次は『雨水』。

この頃になるとふとしたときのふんわりとした春の気配がより濃くなっていき、時にしっとりとした春の雨がやってくるような感があります。

若芽が呼ばれる頃ですね。

野を歩いていても、そこここに小さな小さな新緑の芽吹きを目にするようになり、春の訪れを感じます。


一瞬のプレゼント

現在配信されている情報では、この候の頃は、なんと初春を飛び越えゴールデンウィークの頃くらい温暖になるという予報でした。

ですがその後は西のほうから崩れ、また寒気。

油断しないように注意が必要ですね。

寒暖の差が激しいのは要注意ですが、なんとも春らしいなという感じがします。

お天気が良いタイミングを狙って、おうちじゅうのクリーニングをするのも楽しいことで、なんとも言えない幸せなひとときです。

また、遠出はできないまでも気分転換や心身のリラックスに少し歩きたいな~という方は、天気予報などをしっかりチェックして、雨や寒気に当たらないようご注意くださいね。

火をつけない、ヨモギともぐさのカイロもおすすめです。
(ご興味ある方はページ最後にホームページのお問い合わせ欄の紹介がありますので、そちらからお問い合わせ下さいませ)


太陰太陽暦で新年を迎えました

12日は今年初めての新月、太陰太陽暦では新年を迎えました。
ですので、今年2021年は、ちょうどこの候から太陰太陽暦では新年となります。

さて、日本で暦のお話をするならこのことに触れないわけにはいきません。

日本はいつから現在の暦を使うようになったのでしょうか?

👇こちらもご参考までに👇


新暦と旧暦、そして二十四節氣はどう違うの?

日本は明治初頭まで、太陰太陽暦(たいいんたいようれき)という暦を使っていました。いわゆる旧暦です。

月の満ち欠けをベースとして、更に季節とずれがないよう太陽の動きも考慮されたものでした。

明治五年(1872年)に、現在使用している太陽の動きを元に作られた太陽暦(グレゴリオ暦)が採用され、お正月もこの時から新暦1月1日になりました。

アジア諸国では現在も太陰太陽暦の影響は色濃く残り、日本でも関連のある都市や、沖縄の一部ではお祭りなど行事が催されています。

コロナ禍の前までは、この時期にアジア圏からの旅行者が増えたので、なんとなく記憶している方もいらっしゃるかもしれません。

新月から新月は29.5日。一年間が354日になります。

太陽を基準とする太陽暦よりも11日短くなるため、これを調整するために三年に一度『閏月』を設け、一年を13カ月にしていました。

古代マヤ暦の13の月の暦などが拡まってきていますから、なんとなく馴染みが出ている方もおられるかもしれません。

公的な行事やビジネスには太陽暦は便利ですが、風情があるのは太陽太陰暦と感じます。

多くの神社では毎月、1日と15日には「月次祭(つきなみさい)」が行われています。

看板が立っていることもありますね。

「つきなみ」とは、月毎に国の平和と崇敬者の安泰を祈るお祭りのことです。

月参りともいわれていて、1日と15日にお参りをされるとご利益があるといわれています。

この日はお願いというよりも感謝をお伝えする日と言われています。

神社さんにお参りに行けなかったとしても、新月・満月を節目として、過ごした二週間と、これからお迎えする二週間とに感謝のときを持つのは、体調を整えていく上でもとても良い習慣となりそうですね。


年ごとに巡ってくるものが違う

このnoteのテーマである二十四節季七十二候の新年とは、策定基準が違うので始点も違います。新年はそれぞれ違う日に始まりますが、30年に一度程、同じ日になることがあるのです。

その日は『朔旦立春(さくたんりっしゅん)』と呼ばれ、とてもおめでたい日とされています。

氣になる次のタイミングですが、あと17年後の2038年だそうです。


その時、どんな自分でいたいですか?

せっかくなので想像の翼を広げて、羽ばたいた自分の姿を思い描いてみると、新しい風を呼び入れやすいですね。

そして類するものとしては、『無春年』。

これは立春が無い年です。

こちらは『朔旦立春(さくたんりっしゅん)』より頻繁で、最近では2016年~2017年の間の立春や、2019年~2020年の立春もありませんでした。

反対に、旧暦の一年間で二回立春が訪れることもあり、これを『双春年』と言います。



この時期の養生

アーユルヴェーダでは、春は、カファという「土・水」の氣が増し、対処に氣を付けるように言われます。

もちろん全員が何か感じるわけではありませんが、観察する力を養っていくことがまずはとても大切です。

気付かないだけということがよくあるからです。


漢方では、なにか症状が現れたとき、そのことを『証』と呼び、観察し、観立てをします。

この証という呼び方はとても腑に落ちるもので、何か原因が蓄積されて現象として見えるところにまでなったということで、まさに原因の証です。

冒頭のカファが増えた場合の証は、からだが重だるかったり浮腫んだりというかたちで現れたり、『気持ちがよどむ』ということで実感するかもしれません。

うららかな天気なのに何だか氣が沈んで身体が重くて仕方がない…

なんて、まさに春の症状。

そんなときは闇雲に自分を叱咤せず、まずは増悪したカファを減らすべく調整してみましょう。


様々な対処がありますし、人によっても違うのですが、参考になる考え方として、『苦味』で中和していくという考え方があります。

知識としてはなんとなく入ってはいましたが、お世話になっている先生方からあらためて話題に出して頂き、『もうそんな時期か!』と気付いた次第です。

こういう『知ってはいたがピンときていない』という状態、気付かないうちに不調に偏ってしまいやすいので、気をつけなければと思いました。


さて、本題に戻りましょう。

日本では古来より、春に山菜を頂きます。

あれがまさにこの養生のこと。

山菜はアクが強く、適切にアク抜きしてからでないとかえって身体の負担になってしまうことも。

ですがアク抜きし過ぎてしまうと美味しくありません。

『毒を以て毒を制す』のようなもので、ちょうど良い具合に不調に陥らせる原因と相対する刺激を取り入れることで、不具合は中和され、良いコンディションに整えていく一助となるわけですね。

山菜がニガテという方は、トリファラのお茶はいかがでしょう。苦味、渋味だけでなく六味あると言われるとリファラはまさにオールマイティに様々なシーンで助けになってくれます。

また、カモミールミントティーをしっかりめに(とはいえ美味しいと感じる程度ですよ)淹れてみるのも良さそうですね。滞った水分を出してくれるお茶です。


では、ここからはイメージのお話。

当サロンのコースでもお話する『円体観』の一端です。


先ほどの山菜のような考え方、食文化にはたくさん伝承として残されていますね。
この考え方は、果たして食べ物だけに留まるものでしょうか。

というのは、この時期、ちょうど見頃な水仙の体験からハッとしたことがあったからです。


感じ、イメージし、観じる

温暖な地域だと12月後半頃から咲いてきますが、花盛りで豊潤な香りが野に満ちるのはまさに今からもう少し先にかけて。寒気に咲くと言われますが、寒さの中に春氣が混ざり込むこの時期がまさに旬という感じがします。

ちょうどこの頃、和らぐ景色とは裏腹に、カファ増悪の兆候が出てきます。


サロンのある地域は水仙がたくさん植えられていて、丘一杯の花を愉しめたり、歩道に沿ってずっと植えられ、水仙ロードを歩けたりとたっぷり楽しむことができます。

このカファが増悪する頃になると、不思議とわたしはこの水仙の香りに触れたくなります。

水仙の香りは種類ごとに違いますが、豊潤濃厚な香りは共通しているのではないでしょうか。
とても良い香りですが、苦手な方には刺激に感じることもある、そんなタイプの香りです。
我ながらあまり得意ではなさそうなのに…、不思議でした。

なぜかこの時期はとても水仙の香りに触れたり、そばを歩きたくなるのです。

まだアロマの勉強をする前に、この時期、雑貨店で惚れ惚れ選んだ香りも『雪月花』。水仙でした。


水仙はヒガンバナ科で、ヒガンバナと同じようにアルカロイド系の毒があります。
☆参考資料・厚生労働省のページにとびます☆


単純に毒を避けるという考え方だけ持っていると、“毒のある植物に近寄るなんてとんでもない!”と思ってしまいますが、

『からだが欲するなら何か理由があるものだろうし…』

とずっと不思議に思っていました。

そして、先ほどの山菜の持つものでカファを整えるという考え方を聴いたときにハッとしたのです。

山菜はアク抜きせず、摂り過ぎると苦味やしびれを起こします。

観想の世界は、栄養成分だけではなく、象徴や司るものをより優先的に観ていきます。

水仙もしびれを起こす類の毒を持つものですから、司るものを仮に似た類のものと観立ててみたらどうでしょうか?

水仙の毒は球根から茎、葉、花に至るまで全てにあると言われます。
日常生活で香りをかいだり、活けたりしてもよほど肌が弱かったりしなければトラブルも無いようですが、充分気をつけるように言われます。
気を付けてさいれば、むしろお正月や茶花などでもおめでたい良い花とされています。

カファが増えてしまう時期、水仙の咲く場所を歩いて楽しんだり、香りにそっと触れたりすることで、その司るものは、増悪したカファをセントラルボディにおいて中和するような働きをしてくれるのかもしれません。

これはあくまでわたしの体感を元にしたイメージ、観立てのお話です。

それぞれの方が感じ、観じる世界があるので、共有できることもあれば必要ないこともあります。

サロンの円体観で観立てて読み解きをするコースでは、あなたの世界をじっくりと紐解いていきます。

カメラのレンズを変えるように、まったく違うものが観えてくることもしばしば。前と後ではまさに世界が変わるということもあります。

わたしはこのことがとても楽しくて大好きで、たくさんの方が晴れやかになられるお姿をずっとみていたくてサロンをつづけています✿

★決して水仙は口にしないようにくれぐれも気を付けてください★



20210213

代表 MASHIRO


未来創造サロンAHSHのホームページはこちらから



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『透明な栄養』をテーマに有形無形の造形活動をしています。ホリスティック~全体観~という捉え方を活動の基盤にしています。この捉え方は、いのちの息苦しさが紐解かれたり、改善される可能性をかんじます。noteでは日々の思考研究も兼ねて、この考えをもとに書いたものをシェアしています。