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夜に沈む

歪んだギターの音色。

ぎりぎりと、切なく迫ってくる。
ぎりぎりのラインから
落っこちるひとも居れば、
しがみついて頑張っているひとも居る。

なにもないからこそ、
どんなことでも出来て、
許された。

なんてすばらしい
ぼくたちだろう。

なんてなさけない
ぼくたちだろう。

なんてからっぽな
ぼくたちだろう。

ほら、ぐるぐるする頭をふり廻して、
ロンドを踊ろう。
狂乱の日々を横目で見ていた。
時代遅れなぼくらだけど、
込み上げる吐き気とともに、
ステップを踏もうよ。

すぐそばに楽園が広がっていたのに、
知らなかったんだよ。

知らなくても、平気だったんだよ。

原色で塗りつぶされた記憶を
探ったって何も出来やしないさ。
色がいろが色が、
混ざると、
暗黒になってしまう。
その前に。
その前に、掻き分けて進んだ、
すてきな革靴で足を痛めながら。

きみが隣に居たことなんか、知らなかったんだよ、
誰も教えてくれなかったから。

2007,2,

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