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28.

あと数日で生きた年数がひとつ増える。
去年、誕生日を迎えた時に紡いだ言葉。

走り続けてきたらここまできていました。
随分と長い道のりだったなあ、と思いながら
ふと前を見ると大きくなだらかな坂道が続いていて、
ちょっとくらい休ませてくれよなんて思うけれど、
とてもワクワクしている自分がいます。
暖かな日差しの中で産声をあげました。
だから、私は暖かな光の中がとても居心地よく感じます。
暖かな光は紛れもなく私に関わってくださる全ての人たちです。
たくさんのありがとうを。

この気持ちは今この瞬間も変わってはおらず、さらに言うならばその光を受け取るだけではなく、誰かに渡せる生き方をしたいなと思うようになった。

去年の1年間は今までの自分のやってきたことのアウトプットと、新たな分野へのインプットを絶えずにやり続けた。
1日の時間が足りずに、知識と技術に渇望していた。
走って、走って、気がついたら独走をしていたことに気がついて苦しい日もあった。
あれだけ周りの人に感謝を抱いていたはずなのに、自らの傲慢さを押し付ける日々だった。
私は、自分が最も嫌いな人間になっていた。

それでも、お店に顔を出してくれる仲間たち
ご飯に行こうと誘ってくれる友人たち
たまにはコーヒー以外の話をしようという言葉
進む人間は孤独だからと言って背中を押してくれた人
あなたのコーヒーはちゃんと気持ちが伝わるよと言ってくれたこと

こんなにもひどいことをしてしまったのに、
どうしてあなたたちはこんなにもあたたかいのだろう。

誰かにとっての陽だまりになりたい、とずっと思っていた。

不変だと信じて止まなかったものが簡単に消えた瞬間に、
もう二度とそんなことがあって欲しくないと泣いた日。
少しの変化も見逃さないように注意深く生きるようになった。
不用意に傷つけないように人との関わり方を考えるようになった。
すぐに手を伸ばして掴み取れるように、幅広い知識と見聞を広げるようにした。
誰かの逃げ場所になり得る場所を作ろうと決めた。


私は生まれてからずっと生きたいなんて思えない人間で、けれどそれを終わらせる勇気もなくダラダラと息だけをしてきた。
傷だらけの身体を放置してしまうくらいには、自分のことを大切にできずにいた。
自分より他人が遥かに大切な人生だった。

「あなたのことが大切だ」なんて
自分のことも大切にできない人間が口にするほど薄っぺらいものはない。
そう、気がつけたのは去年のことで
それもまた自分の周りの人のおかげで。

こんなにも、人に恵まれた人生はあるのだろうか。
やっぱり私は自分だけのためにこの人生は生きられないけれど、
私に関わってくれる全ての人の心の隅にでも陽だまりの暖かさを残せるような
そんな生き方をこれからしたいなと思うの。


誰かを失ってしまうという恐怖が身体を蝕んでいて、
私はきっと時折泣いてしまうのだけれど、
その回数はだんだんと減っていくような気がしている。

失う悲しみより、目の前の人の優しさや愛情を
簡単に捨ててしまうことのないように
「好き」や「大切だ」をちゃんと伝えられるように
大切なあなたたちに限りある時間だったとしても会いに行けるように
言葉と行動でわたしを大切にしてくれる人たちに返していけたらと思う。


人と仕事を全力で愛することができるこの人生が
とてもとても愛おしいです。


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