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有料記事まとめ

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有料記事をまとめたものです。月末に更新。自分自身の話(大きな声で言えないこと)が主になります。
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セミダブルの言い訳

ポストに一通の手紙が入っていた。 差出人は『株式会社 文芸社』。 一気に背筋が伸びた。 それもそのはずで、数ヶ月前に人生で初めて物語を書いて公募に送ったのだ。 結果は入選に至らなかった。 わかってはいたけれど、最終選考まで残れたことはとても嬉しく思う。 そして、自分の物語を誰かに読んでもらえたことが無性に嬉しい。 完成した時に読んでもらった人からは 「起承転結の承と転が弱くてエッセイのようだ」と言われた。 エッセイやコラムが書きたいのだなと俯瞰したのを覚えている。 そっ

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生きることを選んだので分籍をした話。

人というのはつくづく良く出来ていて、 特に記憶に関しては美化し続けてしまう。 誰だって苦しく生きるのは嫌なのだから、当然なのかもしれないけれど ふと思い出す記憶たちはいつだって柔らかく温かい。 美化されてしまった。 私自身がそうせざる負えないと判断を下したのだろう。 街中の音、耳に流れ込んでくる音楽、微かに漂うタバコの香り、色、靴、声、風景、髪の毛を揺らして歩く女性、 全てが私の記憶を底から掬い上げる。 あれほど痛く苦しかった言葉や仕草を私は幾度となく見てきて、それでも思い

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