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愛しこの線

 5月の始まりは、連休(でヒマ)だったこともあり、PCの設定と、デジタル絵をちょろっと頑張ってみた。「PCの設定」なんて書いたが、特に大それたことはしてない。この間新規契約したホームルーター経由でネットに繋ぎ、ケータイから登録しているサイトやGmailに、PCからログインしてお気に入り登録したり、各パスワードを整理したり…ただそれだけのことでPC苦手アナログ人間は大変に苦労したのでした。このnoteも、PCでログインし記事編集しようとしたら、真っ白な画面になって頭の中も真っ白になってしまった。これが噂のnoteの不具合だわ…(そんな噂は無いよ!)と思ったが、インターネットをエクスプローラーから開いたせいだったようです。兄から譲り受けて以来、ネットに繋いでなかったもので、マイクロソフトエッジに更新したら、閲覧も記事編集も、普通に使えるようになりましたm(_ _)m

 で、そんなこんなのグダグダを経て、デジタルお絵描きもやっていた訳です。が、やってるうちに自分のデジタル適応力ではアナログみたいに、気分良く線が引けることははないだろうなと思い至る。

 出来映えの良し悪しはこの際置いといて、黙々と物をかくのはとても気持ちが良い。
 小学生時代、漢字書き取りの宿題は好きな部類だった。まぁ、だからといって漢字書き取りのページ数を自主的に増やしたりはしなかったけど。
 インクや、紙のニオイ。線を引くときの画面とペンの擦れる振動。紙にインクが染み込んでいく瞬間。鉛筆ならば、芯の摩耗してゆく感触。アナログだからこそ味わえる、何か"かいてる"という実感。

 常日頃「物を減らしたい」と思っている(思っているだけで増えていってる)自分には、フルデジタルにして、データとして保存しておけば紙が溜まることもないし部屋がこれ以上散らからなくて良いのだけど、「紙にかく」気持ち良さはデジタルでは味わえない。
 これはもう自分の性分的に、無理してフルデジタル目指そうとするより、やりたい方法を選ぼうと思った。

 アナログでかいた絵や漫画は、今までずっと写真撮影してデータ化しているので、カメラと紙面との角度や紙のたわみで画像が歪んでいたり、部分的に影が覆って暗くなっているのが地味に気になっていた。
 先月、家電量販店にて33000pointを使い、スキャナ(プリンタ複合機)を約二千円で入手することができた。長期在庫切れの為ブツはまだ届いてないが、スキャン可能サイズは最大A3だと確認したので、漫画原稿B4だって余裕で取り込める予定。スキャナが使えたら、憧れの真っ直ぐで影のない画像をアップできる…!スキャンして画像をキレイに取り込めたら、デジタルで色塗りや文字入れするときにテンションもより上がりそう。
 線画はアナログが断然気持ち良いけど、色塗りとなると、画材を引っ張り出すのも片付けるのも面倒なのでデジタルでやりたい。ワガママですね。
 トーンだって、面倒な時はデジタルにして、アナログで貼りたい・削りたい気分の時はアナログで貼れば良い。その時々で切り替えていこうと思った。気分屋なので。

 ところで、アナログの線画に筆記具は必須ですが、最近つけペン使うと疲れるようになってきました。
 漫画といえば、つけペン。デジタル派の現代は、そうでもないようですが、自分の中では今でもそのイメージのままです。
 ド田舎に住んでいた子供時代は、つけペン売ってるお店自体を見たことがなかった。近所の小さな文房具屋は、ロケットペンシルや匂い付き消しゴム、ファンシーな下敷き、斬新な筆箱、アイドルのブロマイドとサイン、駄菓子を取り扱っていた。
 きっと都会でしか手に入らないペン。漫画家が使う特別なペン。あれで絵が描けたらどんなに高揚するだろうかと、妄想を膨らませた。あんなに恋い焦がれた つけペンだったのに。

 つけペンに疲れるとは、具体的に
・インクを付けても思うように線が出てこなくて掠れる
・予想より太い線になる
・力加減を間違えて紙を引っ掻く etc
単純に、つけペン熟練度の問題でしょうけど。
 何でも全部器用に使いこなせたらそりゃあ理想的ですけど、あんまり疲れたりストレス感じるのはもう嫌だわ…ということで、今年入ってからは開き直って殆どミリペンを使っています。

 それにしても線って、つけペンだろうがミリペンだろうが何を使ったって仕上がってしまえば、かいた本人にしか分からない(自分だと、メモっておかないと、時間が経ったら何ペン使ったかも忘れるかも)世界じゃないだろうか?とふと思ったのでした。
 ちなみに自分はアナログ線が大好物なので、人様の絵を見て、アナログ線とデジタル線の違いは嗅ぎ分けられる(…られてる筈!?)ですが、何ペン使って描いた?というような細かい違いは、明記されてないと見た目だけでは分からない。
 例えるなら、お米…ジャポニカ米の内の別の種類を、若しくは、炊飯器のグレードをこっそり変えられても味の違い分からないかも?いや流石に、毎日白飯食べてるし、分かるでしょ?いややっぱ、分からないかも?…ぐらいの感覚です。りんごの種類、ふじとジョナゴールドだったら食感違うし食べて分かると思うのですが🍎普段そんなに食事を味わって食べているわけでもなく、神の舌も持ってない。白飯の味が多少変わってても分かる気がしないのと同じイメージ。
 某人気刑事ドラマの右京さんレベルの広い知識と鋭い観察眼を持つ人になら、どんな僅かな差も敏感に見分けるのかもしれないけど、そうでない人、特に絵を描く習慣の無い人にとっての"線"って、食べ物の白飯よりもずっと無関心な事なのではなかろうかと思ってしまった。無くても楽しく生きていけることですし。“線”にこだわる素人の存在意義って一体何…?と、遠い目になる。

 それでも、自分が満足出来る線が引ければそれで十分とも思う。人との比較、評価を気にし始めると、とことんどん底まで自己肯定感を下げてしまい、何もかも楽しめなくなる。全てが嫌になる。自己肯定感の落ち込みと共に、情報の入れ過ぎも精神衛生上良くないらしいので、情報過多、情報飽和状態の巣窟、SNSを見ない日を作るようにした。自己防衛大事。なのにSNS登録先を増やしてしまった…。
 何だかんだウダウダ言っても、やっぱりかいたものはどこかで誰かに見て欲しいと思ってしまうので…なんて矛盾した行動。阿呆じゃろ自分。いや、自己否定的発言は止めよう。病む。
 見て欲しい…という欲求があるくせに、noteに他のSNSリンクを貼っていないのは、同じような画像しかあげてないのと、それぞれのSNSの空気感が違うように思っているせいです。何というか、まだ始めたばかりのところもありうまく表現出来ませんが、ノリが違うというか。
 温度差に慣れるまで時間がかかりそうなので、疲れない程度に意識的にSNS頻度を抑えつつ、徐々に慣れていこうと思っています。


 以下、使ったペンとかいた絵をまとめてみました。

①丸ペン TACHIKAWA

紙を引っ掻くペン堂々の第一位、丸ペン。自分の好きだった少女漫画の、瞳・髪・顔の描き込みは,きっと丸ペン無しでは成り立たない業でしょう。つけペンの存在すら知らなかった頃、りぼんをお手本にボールペンを握りしめ「どうやったらこんなに細い線が描けるんだろう?」と唸っていた幼き日々。



②日本字ペン NIKKO

パッケージを見て改めて名前を知った、日本字ペン。つけペンの種類に全然詳しくないけど、使った実感としてちょっと硬めな印象。自分的つけペンに対する悩みで、おろしたてのやつは細〜い線が引けるけど、使い込んでるうちに、自分の思っているより太い線しか引けなくなる。あと錆びてくるの困る。使った後、水拭きじゃなくて、揮発するエタノールで拭き取ってるのにな。手入れのコツとかあるのかしら。



③タマペンNo.12 ZEBRA

こればっかり使ってたせいか、②よりもこっちの方が扱いやすい。でもウチの在庫無くなっちゃった。どこかで見つけたら買っておこう。画像は、使い込んで柔らかくなり、細い線が思うようにかけなくなってからのモノ。


④ミリペン COPIC MULTI LINER (0.1)

無心の線。無心で集中出来る持久力が短い為、すぐ飽きる。


強調したい輪郭線は二度三度、重ねてる。手前の花の茎・輪郭は0.8。


どうでもいいが、写真撮影のボタンが右手側に付いている為、左でペンを持っている。右利き人間です。(本当にどうでもよかった)


番外編
⑤カッターナイフ OLFA

ペンじゃないけど、スクラッチボードに対してはペンみたいなもの。カッターナイフ。


 以上。それぞれのペンの線は違ってましたでしょうか。これからも黙々と線をかいていきます。




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