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マッチングアプリで初めて会った人と京都旅行へ行った話(9話)

念願の鴨川でピクニック中に、遠回しに「(グッバイ)僕の運命の人は君じゃない」宣言されてしまった私。
まぁ、楽しければいいです。それに今夜はQさんがディナーも予約してくれているし。

これから一緒に過ごすことで何かが芽生えるかもしれない。まだまだ、旅は始まったばかり。
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19. スムージーと銀閣寺①

出町柳から自転車を20分ほど漕ぎ銀閣寺を目指した。
Qさんがリードしてくれる縦列走行で、何度か後ろを振り返り話しかけてくれてたのだけど、声があまりよく聞こえなかった。 

おそらく「サボテンの自販機がありますねーー!」だったのでニュアンスで「珍しいですね〜!」とか答えた。
私も「すごい行列のお店ですねーー!」とか気づいたことを大きい声で言っては「●▼※★ですね〜!!」と返してくれたけどあんまりよく聞こえなかった。たぶん相槌的なものだと思う。

そんな程度の会話を続けた。

銀閣寺の参道に、お土産屋さんが立ち並ぶ中
Qさんが「ちょっとここへ寄ってもいいですか?」

というので立ち寄ったのが、意外なことにスムージー屋さんだった。

私は昼に食べた豆大福でお腹が満たされていたので
店の外で待っていた。Qさんが「中、涼しいですよ」というので店に入った。観光地の中にある、コンクリート打ちっぱの今っぽい感じのお店だった。

Qさんはブルーベリースムージーを頼んで「お水2つください。あとスプーンも2つください」と店員さんに伝え、一緒に食べようと提案してくださった。嬉しかった。

ひとくちと言わずなん口でも...とQさんが買ってくれた
スムージーは、とても美味しかった。彼は1種類のものに絞って提供している新しい形態のお店を観察するのが好きなんだそう。

私「クラフトコーラの伊良(いよし)コーラとかもそれだけでやってて、店舗も洗練されてますよね」

Q「あれ...いらコーラじゃなくて、伊良(いよし)コーラなんですね」

(伊良コーラ... いらじゃないって私も最近知りました)

20. スムージーと銀閣寺②

さて、おそらく人生初の銀閣寺へ到着した。
確か高校の修学旅行で行ったような気もするし、そうでない気もする。学生の頃は金閣派だっので、記憶がそれくらい印象の薄い銀閣寺なのだが、実によかった。

苔が綺麗で静かで緑が溢れていて、すこし湿気があるその空間がとにかく美しかった。

そして隣には素敵な男性(高学歴、クリエイティブ、清潔感)がいた。私はまだ京都でデートという非日常的なシチュエーションに酔っているようだ。

Qさんと同じものを見て、一緒に美しいと感じられることが嬉しかった。


21. 哲学の道

銀閣寺のすぐそばに「哲学の道」がある。ここは京都大学の有名な哲学者が毎朝この道を歩いて思想に耽っていたという約2キロの散歩道である。

Qさんと、談笑をしながら散歩道を歩いた。
さっきまでら話すたびにガチガチだったけれど、少しずつフランクになってきたような気がした。

川沿いの散歩道には普段の生活ではあまり見かけない、イトトンボがひらひらと飛んでいた。
天気も良くて、気分がよかった。

銀閣寺荘という建物の前を通ると、彼はとても興味を示した。私もこの雰囲気好き。(なんだ話合いそうじゃん )

散歩道の近くに彼のお友達がやっているお店があるそうだ。ちょうどその前を通ってみた。

ミシュランだったかビブグルマンだったかそういうのに選ばれたお店らしい。
さっきから出てくるQさんの交友関係は、すごい人ばかりだ。

「ふふ京都ってここにあるんだ」と彼が呟いた。
隠れ家的なラグジュアリーなホテルらしい。
彼との散歩時間が楽しかったのか、私はもしこの人と付き合ったらこういうところでゆっくり過ごすのもいいなぁ...なんて空想を膨らませてしまった。

22.ディナーの電話

道中、彼の携帯に着信があったらしく
「ちょっと電話していいですか?」と言われた。
どうやら電話先は、京都のご飯屋さんのようだった。

Qさん「...はい。今回は非常に残念ですが、本当に素敵な雰囲気で、お料理も美味しそうでしたので次回、訪れる際は是非、足を運ばせていただきたいと思いますので、またよろしくお願いいたします。」

今夜のディナーの空き状況を何件かあたってくださったQさん。もうすでに今夜のお店は決まっていたが、空き状況を確認していたお店が電話をくれたようだった。

お店のキャンセルの電話だと思うけれど、その丁寧な返しがとても素敵だった。

続く
(更新遅くなりすみません!)

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