鏡よ鏡よかがみさん

お風呂で娘を洗っていた時のこと。

泡を顔につけながら
「鏡よ鏡よ鏡さん、世界でいちばん可愛いのはだあれ？」
と言ってみた。

娘が「ももちゃん」と自分のことを言うのを内心期待しながら。

すると、娘はすかさず
「あーくんちー」
と言った。

あーくんちー、とは娘が4歳下の弟のことを呼ぶ時に使うあだ名だ。
ちー、は小さくてかわいい子、という意味らしい。

「え、ももちゃんじゃないの？あーくんなの？」
と聞くと
「うん、あーくんちーに決まってる」
と答えた。

そうか、娘にとって世界でいちばんかわいいのは自分ではなくて弟なんだね。

意外な答えにびっくりしつつ、なんだか胸がキュンとした。

＊

カバー写真は、パターンブロックというおもちゃで娘が作った初めての作品、その名も「ももちゃん」（笑）。