23 古傷が疼いている

嘘をつかないで。
あなたのせいじゃないんだけどねって、笑ってごまかしてしまったけど、どういう意味? 
はぐらかさずごまかさないくらいしかできないのだから。
自分は、どうしたいの、理想のお母さんと痛い別れをしても生きていけるの
子守唄を失って自分は眠れるのか。
どうしたいの、打ち明けたい、嘘を付きたくない、正直に生きたいと思っている、釈然としない気持ちを解消したい、終わりにしたい、ずるずる続けたくない、
転移を終わらせて、
子どもであることがたまらなく恥ずかしい気持ちと、
あの人に理想の母親を見たということ自体の意味を掘り下げてみる
笑うべきじゃないところで笑っている自分

古傷が疼いている。
お母さん。母を探して三千里。
こんな絵に描いたような典型的な転移を自分がしてしまっているとは思わなかった。
教科書に書いてあるような転移。
大人として。別れることになっても自分自身の目的のために。
あの人に現実生活があるのに傷ついていたのは、母が、僕だけのお母さんでいてくれなかったからかな

ない問題を作り出してあえて自分を傷つけるのではなく、自分から目を逸らすわけでもなく、
やっぱり問題行動というか、症状だった、目を向けるべき行動だったと思う
なんでそんなことをしたのか、自分で見てみようとするべきだった

よみがえる過去の影
理想の親を探し続けていたこと
痛い
ずっと本当のお母さんを探し続けていた

感情的になってあの人を傷つけたり攻撃したいわけじゃない。
だけど正直に打ち明けたい
なんのために。何がしたいの。

この抵抗には意味がある
死んでしまう
この恥ずかしさに
圧倒されないで

痛い。でも扱わなきゃいけない。露悪的に暴露するのではなく、なんとかうまくできないか、

自分から目を逸らすのでもなく、あえて自分を傷つけるのでもなく、

痛い、痛い、でもそうしなければ絶対に大人になれない
避けられない

理想の母親を見ていたんだ。
恋人ではなくて……

死んでしまうかもしれない
怖い
痛い

母とあの人は全く違い、そしてまったく理解し合えない
理想の母を見ていたんだ

平和に暮らしてわだかまりを抱え続けるか
それとも痛い別れをするかわりに本心を打ち明けるか

嫉妬、執着、良くない感情だってわかってる。
これ、を、あの人のところで扱う?

今はもう元気だから自分と向き合わなくても生きていける。
この抵抗に目を向けなくても。


感動も苦しさもなく、あたたかさだけがある

なぜなら自分の中に不純な動機があるから

 一緒に美味しいもの食べて、初めてこんなこと思った。みんなで美味しいものを食べたいって。そんなこと今まで思ったことがなかった。

 大人になれ大人になれと言われていたら大人になんてなれないから

 嫉妬。悪い感情だってわかってる。執着。わかってる。苦しい。あの人に会う前から苦しかった、だからこの苦しさ、生きる苦しさはあの人のせいじゃない。意味はあったんだ。恋していたわけじゃなかったのなら楽です。恥ずかしくもない。理想のお母さんだと思っていた。たしかに腑に落ちる。楽にもなる。ただ夢のお母さんとして見ていたのなら。あの人もあの人も。それならたしかにわかる。本当の素直な自分の気持ちをたどって知った時、望みが、あの人との恋の成就でなければそれは嬉しい。だって決着がつくから。折り合いがつくから。
 やっぱり現実世界で関わる可能性があってはいけなかったんだ。思い切ったことを言えなくなってしまった。
 けなしたいわけじゃない、陰口を叩きたいわけじゃない。あの人を傷つけたいわけじゃない。ただ、どうしたら良いのかわからないこのぐちゃぐちゃな感情を。
 そう。なんか、変。苦しい。苦しいから変。苦しい。苦しいのに会うことをやめられなかった。自分で通っていた。誰に命令されるのでもなく。あなたに執着していたんですって打ち明けること。
 それは自分のせいじゃなかったの?
 そしてそれには強力な意味があったって。あの人にお会いしてきたことには。
 目をそらさない。自分を焦らせもしない。自分で自分を傷つけもしない。ゆっくり、本心に気づいていく。目を向けていく。
 あの人が私のことをどう思っているかなんて全くどうでも良いこと。どうしたいのだろう。でもこのままじゃ、腑に落ちない気持ちを抱えたまま死ぬまで生きていかなければならなくなる。
 自分はどうしたいのだろう。
 苦しくて苦しくて、耐えられなくて、一秒でも早く全く違う人間になりたかった、健全な人の感覚が全く理解できなくて、恥ずかしくて死にたくてたまらなかった。今日にも死ぬかもしれなかった。出口がなかった。未来がなかった。変化がなかった。
 ねえ、すべての行き場がなく、あのまま死んでいたら、そんなみじめなことはなかったよ、
 でもあの頃の自分が真正の感覚や苦しさを見て感じて生きていたことは本当だったんだろうと思う。

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