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アイドル現場での共存を今一度考える

1.はじめに(長過ぎる序章)

 前回の DEMON FACTOR についての記事から早や数か月、書こう書こうと思ってもなかなか書く気力が起きなかったダメ人間です。
 
 さて、否が応でも年輪を刻んできて、頭の中は常に中2男子の放課後であっても社会的には大人という人種カテゴリーに入っている自分ですが、昔から続いている趣味のひとつとしていろんなライブに行っております。ソロアーティストやバンドや地上地下問わずアイドル、箱もドームやアリーナやホールにライブハウスと、それなりに見てきました。

 小学生から高校生の頃までは地元のホールでアーティストやバンドやアイドルを見てスターに憧れ、今の住まいの札幌に来てからはホールに加えて窒息死するんじゃねえかというほどギュウギュウ詰めのライブハウスでミッシェルガンエレファントやブランキージェットシティなどのライブに参戦し、ライブ終わりに外でTシャツを脱いで絞ったら雑巾の如く汗がダーって道路に落ちたもんでした。ほんと命懸けというのが大げさではなかったほど。

 そしてAKBが出てきた頃のアイドルグループ戦国時代はももクロにハマり、きたえーるや西武ドームに東京ドーム、そして震災後の女川復幸祭でのライブを現地で見て号泣したり(生まれ故郷が女川なので)と、ももクロはいろいろ遠征したなあ。AEにも入っていたし。
 最近は前回の記事に挙げた DEMON FACTOR をメインに、ライブハウスにおける地下アイドルの現場が多いです。

DEMON FACTOR

 
  自分のように、小さい頃にTVで見たアイドル→思春期になりバンドやアーティストに→年を取って一周回ってアイドルに戻る、といった40代以上は地味に多いかと思われ。以前Twitterに『アイドルのライブ会場にいるオッサンは若い頃にすし詰めのライブハウスで拳を振り上げてきた猛者の可能性が強い』というのがあって、俺は猛者ではないけど分かるわぁそれ、と思った記憶が頭に残ってます。

2.様々なアイドルとアイドル現場

 さあここからが本題。待たせたな読者Baby!(氷室京介のMC風に)

 ほんと今は地下アイドルでも様々なアイドルグループやソロアイドルが活動しており、札幌だけでもライブプロ系の王道アイドル、DEMON FACTOR のようなロック系アイドル、ダンスとクラブ系楽曲をミックスしているambitious、そして今の札幌のアイドルシーンで頭一つ飛びぬけている、ノスタルジーと今を融合させたタイトル未定(タイトル未定については後々一本しっかりと記事を書く予定)、軽く頭に浮かぶだけでもこれだけ違うコンセプトを打ち出しているアイドルグループが多くいるのです。
 
 で、当然ながらアイドル現場毎に雰囲気やルールや客層も違うわけで、歌をしっかり聴いてたり、ステージのアイドルそっちのけで騒いでたり、最前をカメコがズラッと占領したり最前管理がのさばっていたりと様々な様相を呈していて、それらを含めステージで歌い踊るアイドルを後方関係者面でしっかり見てるのがMy Styleです。 

後方関係者面で聴いてる人

3.歌を聴きたい?コールや口上がしたい?ただ楽しみたい?

 そんなライブを盛り上げる要素として、多くのアイドル現場で今や欠かせないものとなっているのが口上やコールです。
 ここからは多分に個人の主観が入ることを念頭にお読みください。
 
 口上やコールとは何か?という根本的なものとして、
 『アイドルを、楽曲を、そして現場を盛り上げる合いの手』
 と極論ですがそう思っております。
 合いの手というと人それぞれ様々なイメージが浮かぶと思われるけれど、たぶん多くの人が「あ、それそれ!」とか「よいしょ!」とかのベタな合いの手が浮かんだかと思います。
 その浮かんだイメージをプレイバックしてください。それって、歌声に被ってました?歌声に被ってた風景を浮かべた人はそうそういないのでは?
 
ここで自分の中で理想的なコールとして、古いですがももクロの『 CONTRADICTION 』を例に挙げてみます。時間に余裕のある方は是非ご覧ください。

イントロではももクロのコールの代名詞であるうりゃ!おい!から始まり、Aメロではフレーズの合間にメンバーの名前をコールし、Bメロは歌っているメンバーの名前のみ連呼、サビは振りに合わせ拳を突き上げて後半1小節でオイオイオイ!のコール、間奏明けのしっとり歌う部分はコール無しでケチャのみ、そして最後の大サビで爆発するように再度オイオイオイ!のコールからラストにまたうりゃ!おい!で駆け抜ける。

この動画で一番特出すべき点は、コールがほとんど歌に被さっておらず、歌を邪魔していないということ。被さっているのはBメロの名前のみ連呼している部分と、サビの最後部1小節でオイオイオイ!のコールしているところのみ。
 これなら自分のような歌を聴くことに重点を置いてる層も声出してコールして発散したい層も互いの不可侵領域を侵さずに共存出来ていて、最高のコール(口上)の在り方だと動画を見る度に思うのですよ。

4.現場での共存って?

 共存という単語を出しましたが、セロリの歌詞のように育ってきた環境が違う多くの人間が一つのアイドル現場という空間に一緒に詰め込まれるのだから、「それはどうなのよ」「これはやりたい」といったことでそれぞれ好き嫌いが出てくるのは否めないです。

 例えば「この歌・このグループのイメージでコールにタイガーファイヤー(もしくはうりゃおい!とか)は違うんじゃね?」と一人が思っても、「いやこれで良いでしょ」と大多数が思えばそういうものかと納得するのは大事であり、そこに「このグループの、この曲のコール・口上はこれだ!」と無理やり個人の考えたコール・口上を押し付けるのは自己満足で傲慢であり、極端な話「コールなんて一切するんじゃねえ!」なんて怒鳴り散らすなんて日にゃ、コールをして盛り上げたい・ブチ上がりたい層の不可侵領域を侵しています。一切合切禁止なくらいコールも口上も嫌いならクラシックのコンサートに行けって話ですがな。

静かに見てもディスタンス


 逆に上の『 CONTRADICTION 』の動画にもあるようなしっとり歌を届けて聞かせる場面や他の場面でも歌っている最中に、想いよ届けとばかりに歌に被せて口上を連呼するのは曲の展開を無視しているばかりか、下手すりゃ曲の世界観やその場の空気をぶち壊しかねない独りよがりで自己満足でしかない単なる絶叫となる可能性もあるわけです。そして「アイドルの歌を聴きに金払って時間作って来てるのにダミ声被せて邪魔するんじゃねえ!てめえの戯言を聴きに来てるんじゃねえんだ!」と、歌を聴きたくてお金を払ってきている層の不可侵領域を侵してしまいます。

好き故の行動なんだろうけど…

 この異なる二つの視点、どちらも妥協出来るのが先に挙げた【合いの手】です。
 歌声を邪魔しないから歌を聴くことに重点を置いてる層も満足し、場合によってはコールに参加し、コールしたい層も声を出してアイドルを会場を盛り上げて満足という、これが互いの不可侵領域を侵さずに共存出来る理想の現場だと思います。

5.でもこう言ってるし!

 ここまで読んで下さっている慈悲深い方、もしくは天性の反抗児の方、他にもいろんな方々の中には
 「アイドル側運営側が好きに自由に楽しんでって言ってるから好きにやる」
 と思われる方もいるのではないかと思います。
 そりゃアイドル側運営側としたら誰もが大事なファンであり客であり、どちらか一方に肩入れなんか出来ないんだから、そういうことしか言えないでしょう。
 誰もが自由(好きにやるを含む)にやったら行きつく先は民度も何もないヒャッハーで無秩序な現場になるわけで、そしたら周りから悪評が立って新規が気軽に来れず、今まで通っていたコールしたい層と歌を聴きたい層、そして純粋にアイドルや現場の雰囲気が好きだった層のいずれか、もしくは全ての層がいなくなり、不毛の荒野みたいな閑散とした現場になるでしょう。大げさではなく、実際にそのようにしぼんでいった現場を見ているので…

そして誰もいなくなった

6.まとめ てはいないけど最後に

 よくもまあ原稿用紙にして8枚分も書いたもんだと我ながらびっくり。
 この文章自体が自己満足で独りよがりかもしれませんが、ここまで読んでくれた方々にお礼申し上げます。

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