ひとりでホテルに泊まることについて③
そう、1番好きなホテルを書いておかなければ。
ひとりになって、全て手放して、解放されて、無になりたいときに。
何度でも行きたい大好きなホテル。
aiaoi(鎌倉)
鎌倉の小さなホテル。
一度目は友人に連れて行ってもらって、二度目はひとりで。
とても素敵なご夫婦が営まれています。
わたしが大切にしたいことを自然に体現されていて、こんな風に生活したいと心から思う。
ひとりで訪れた日は本当に心身限界で、金曜日の仕事終わりに余裕のないまま鎌倉へ。
最寄駅に着いたのは21時前。海は真っ暗。
コロナ禍で飲食店も閉まってるような時期だったから、とにかく早く寝てしまって翌朝にゆっくり朝ごはんを探そう…と、とぼとぼホテルに向かった。
遅くなってしまったけどチェックインを待っててくださっていて、
「夜ご飯は食べましたか?」
気を遣わせるのも申し訳なくて、
「仕事終わりで時間がなくて何も食べられなくて…でも明日の朝食を楽しみにしてるんです」
と答えたらまだ開いてそうなお店を探して電話してくれて。
予約までしてもらったお店へ小走りで向かった。
優しさが染みて泣きそうになりながら。
お店のその日最後のお客さんだったけれど、ゆっくり食べていいと言ってくれてまた泣きそうになった。
有難くて美味しくてすぐに食べてしまった。
多分ずっと忘れない味。
もったいないからあえて店名は書かないでおく。
シャワーを浴びて歯磨きをして寝る前に「モモ」を読む。
シャワーは共同だけど綺麗だし、使い捨てのアメニティを置いてないところが好き。
歯ぶらしは馬毛のものを買えるから持って帰って繰り返し使える。
本棚には素敵な本が色々置いてあるけど「モモ」を選ぶ。
最後まで読めないけど、別に急がなくてもいいやと思う。
雪の日のように、しんと静かな部屋。
とても美しい静寂の中で眠りにつく。
朝食のお店も丁寧に教えてくれて、本当にこの土地を大切にされてるんだと感じた。
おすすめされたパン屋さんへ行ったら店員さんも気さくに話しかけてくれて嬉しかった。
誰かに優しくされたかったんだな、と気づいた。
わたしも鎌倉の街が大好きになった。
大仏がいるからなのか、なんとなく奈良を感じる。
海無し県で生まれ育ったので、実は海は怖い。
畏怖という意味で。
でも鎌倉に行って海を見る体験はとても癒されたのだ。
私にとってひとりの時間は定期的に必要で、
全然普段の生活とは関係のない人と話したり、
本を読みたかったり、眠いときに眠り、
目的地を決めずに歩きたかったりする。
できれば自然があると良い。
伝わったかな。
またゆっくり書こうと思う。
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