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キトゥルパニとハクル(クジャク椰子の花蜜)

キトゥルパニはスリランカでよく使われている液体の天然甘味料。

クジャク椰子の花蜜で、メイプルシロップや黒蜜みたいな感じです。

これがキトゥル。クジャク椰子の木です。

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ココ椰子(ココナッツの木)は栽培ができるので、スリランカの多くの場所でココ椰子畑(畑と言っていいのかわかりませんが)があるし、家の庭に植えてるお宅もあるし、道を走っているとたくさん見かけます。

クジャク椰子は栽培できないそうで、自生しているものしかないとのこと。

キャンディというちょっと涼しい気候の地域で見かけることが多い椰子です。

このキトゥル(クジャク椰子)の花蜜は、糖尿病の人が摂っても大丈夫と言われているのですが、スーパーなどで売られている市販品には砂糖がまざっているものが多いので注意が必要です。(砂糖を混ぜると値段が下げられる)

ちなみにココ椰子の花蜜もあって、そちらはポルパニと言います。

ポルはスリランカの言葉でココナッツの意味。

ポルパニはキトゥルパニより安いので一般家庭ではポルパニを使うことの方が多いかも。

ポルパニもキトゥルパニも、カード(水牛のヨーグルト)にかけたり、スリランカの伝統的なお菓子を作るときに使ったりします。

キトゥルパニもポルパニも液体ですが、これを更に煮詰めて固形にしたものもあって、それはハクルと呼ばれています。黒糖みたいな感じです。

キトゥル椰子で作ったハクルはキトゥルハクル、ココ椰子で作ったハクルはポルハクル。

2017年にキトゥルパニの原料の甘い花蜜の採取からハクルをつくるまでの工程を見せてもらいました。

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クレイポットとナイフを持って、

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このような茂みの中をかき分けていきました。


花蜜を採取する木に到着!

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キトゥル椰子の木に登っていきます。

滑らないように縄のようなものを巻き付けてあって手や足をかけることができますね。

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上の様子はさすがに写真は撮れないですが、

つぼみの部分に傷をつけると甘い液体が出てくるそうです。

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クレイポットをセットして、一晩すると、

こんな感じに甘い液体でポットがいっぱいに。

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ゴミ、虫などがはいってますね。

これを持ち帰り、

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濾したものを、飲ませていただきました。

クレイポットの中にたまった甘い液体は、一晩のうちに少し発酵しています。トディとかラーと呼ばれてるお酒なんですが、マッコリのような味です。

トディ(ラー)はお店では売っていないので、こうやって花蜜を摂るお宅を見つけてお願いしないと飲めないです。ココ椰子から取れる甘い蜜はパニやハクルだけでなく、パニを発酵させてアラックというお酒もつくるそうです。

ちなみに、この甘い液体をそのまま放置しておくと、更に発酵が進み、どんどん酸味が出てきてお酢になるそうです。

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今回は煮詰めてハクルを作ってもらいました。

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どんどん煮詰めて、煮詰めて、煮詰めます。

キトゥル100%だと固まらないので、ハクルにする場合はどうしても少しの砂糖は入れなければいけないそうです。

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いい感じに煮詰まったらココナッツの殻に入れて冷まします。

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熱々のうちに、味見用にと小さく丸めてくれました。

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作りたて、天然のキトゥルハクルです。

出来立てを味わえるなんて貴重な体験でした。

砂糖よりも優しい甘さ。

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市販のものは味が安定していますが、こういう手作りのものは、マーケットやキャンディ近辺の道路脇で農家さんが売っていたりします。

地域や作る方によって味が違うので食べ比べも楽しいです。

酸味があったり(発酵が進んだものなんでしょうかね?)スモーキーな香りがしたり(火で煮詰めてますからね)個性がありました♪


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