【詩】ごめんなさい

わたしのこゝろの中の 往来の真ん中には
声を上げて泣いてゐる迷子がゐて
行きかふ人ゝは誰も気づかぬまゝ通り過ぎ
唯一 気づいてゐるわたし自身さへも
手を差し伸べることはおろか
なぜ泣いてゐるのか聞かうともせづ
泣き叫ぶ声に耳をふさぎ 
縮こまつて「ごめんなさい……」と詫びてゐた