【詩】バス

最終便が黒い影たちを乗せて
電光掲示板が示す場所に向かふ
薄暗いバスの灯りが夜の町の
毎日決まつた時間の決まつた道を向かふ
わたしは無人のバスに揺られ
窓に映る顔のない影を見つめ
物悲しく厭世的になりながら
誰も乗らない最終便は
毎日決まつた時間に 
決まつた道を向かふ