【詩】血

皮膚一枚を隔てた向かうに 血潮が流れてゐる
わたしの体重の約八パーセントを占めてゐる
そのことを考へるだけで力が入らなくなつて
呼吸が乱れ 気持ち悪くなり 吐きさうになつた
モノクロ映画のやうに白黒に映る映像の中で
鮮血だけがパートカラーのやうに鮮明に映り
あゝ どうしやうもなく生きてゐると実感した