【詩】恐怖

わたしは何を恐れてゐるのか わからなかつた
なぜ恐れる必要があるのかも わからなかつた
恐怖の正体を見極めるべく 闇に眼を凝らした
闇の中には 恐怖の大王と云ふものが存在した
恐怖の大王の姿形は形容できないほど恐大きょうだい
それは宇宙的恐怖としか呼べないものだつた
もし恐怖の大王から逃れることができるなら
死すらも怖いとは思はないほど恐ろしかつた