【詩】福

幸せだから笑ふのではなく
笑ふから幸せなのだ
両方のこぶしを固く握りしめながら
猿のやうに醜い皺を寄せて
悲しいときも 寂しいときも
辛いときも 怒りのときも
笑う門には福が来ると信じて
いつも静かに笑つてゐた