【詩】育児

まだ 物心もついてゐない子供たちが
誰に教へられるでもなく 
人形の育児をしてゐました
ペットの犬が 誰に教へられるでもなく
おもちゃを子供に見立て
寄り添つてゐました
鳥たちが 誰に教へられるでもなく 
卵を温めてゐました
生き物は 子を育てる方法を
誰に教へえられるでもなく知つてゐました
その愛のやうに思へる行為を
本能から来るものと 
思ひたくありませんでした