【詩】靴

ある日 道を歩いてゐるとき ふと思つた 
晴れの日も 雨の日も 風の日も 雪の日も
靴は毎日 休むことなく 自らを犠牲にし
人間の汚い足に踏まれ辛くないのか と
箱に入れて 大切にするべきではないか
靴も大切に保管して欲しいはづだらう
わたしは 使ひ古された靴に訊いてみる
靴よ 人間に踏まれて辛くはないのか と
しかし 靴は何も語らうとはしなかつた
百年待てば その答へが聞けるだらうか