【詩】いのち

いのちを何にたとへやう
いのちはかげろふの虫
報はれる日はあれど
堪へ忍ぶ日ばかりが長くて
夜が明ければ消へて逝く
いのちはまた道端の草
無下に扱はれやうと生へ繁り
悩み苦しむ葦の草
あゝ このいのちを何にたとへやう
いのちは決して交はることない平行線
となりを歩く人には届かない
一人で生まれ 一人で死んで逝く
わたしのいのちは だから寂しいのだ