【詩】ピーターパン

生後七日目のあの日 
わたしは乳母車の中で 大人に絶望し
「大人は醜く 穢れた 嘘つきだ」と
メインランドから飛び出し
ピーターパンになるために
ネバーランドに旅立つた
しかし わたしは ネバーランドには馴染めづ
かと云つて メインランドにも馴染めづに
ネバーランドでもメインランドでもない間で
大人にも 子供にもなれないまゝ
体は大人 こゝろは子供の
フック船長となつたのだ
フック船長とは 裏切られた子供の姿である