【詩】趣味

最初はなんとなく 気になると云ふだけだつた
話しをしてみたいと思ふも 迷惑になると思ひ
初心な生娘のやうに ただ物陰から眺めてゐた
わたしは眺めてゐるだけで幸せだと思つたが
想ひが募るほどに 苦しく胸が張り裂けさうで
ある日 わたしは勇気を出して話しかけたのだ
最初は不安だつたが わたしたちは趣味が合ひ
以来 苦しいときの わたしの支へとなつたのだ