【詩】虫

虫を殺めても殺虫罪さっちゅうざいには問はれませんが
一寸の虫にも五分の魂があると云ひます
虫酸の走る 虫が好かない 虫であらうとも
蝶よ花よと可愛がれとまで云ひませんが
平蜘蛛のやうに生きてゐるだけの虫です
悪戯に奪つて良い いのちではないのです
蜻蛉かげろふの命ほどの魂に蚊の涙ほどの慈悲を