たぬきと龍
頭に言葉が浮かばない
体がすーっとしている
気持ちいい
鳥が鳴いた
今日の湯は熱かった
もうもうとあがる煙
赤く燃える炭が分福茶釜の隙間から見える
釜の両端にはしゃーと怖い顔をした龍
だけど形はたぬきの腹のようで
可笑しいんだか怖いんだか
ぼーっとゆっくり湯をすくっていたら
手を火傷しそうになった
背丈の高いがっしりとした男の方のお手前を拝見した
しなやかで品のあるお手前だった
茶室には四角が多いなとふと想う
畳、襖、床の間、掛け軸
四角の中に点々と丸が存在する
四角の中の丸が
龍とたぬきみたいでなんだか楽しい
ひょうたんはいつもふらふらしておれど
腹の真ん中きゅっと締める
といった感じのお軸がかかっていた
たぬきと龍
両方がいる自分だと
なんかいいなと
思ったりした
さーて
日曜!
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