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ファンベースを読んで、思ったこと 「仕事の目的は人を末長く幸せにすることだ!」

佐藤尚之さんのファンベース。

本を読んで、涙が出そうになりました。
私が社会人になってから仕事人として考え悩んでいたことを
さとなおさんが言葉にして、なぜ悩んでいたのか教えてくれた気がしたからです。

高校生の頃から "広告" というものに興味を持ち始めました。大学生になってからも漠然とした "広告" というものへの憧れがあって、初めての仕事としても "広告" の仕事を選びました

広告といってもいろいろあります。
私が担当していたのはインターネット広告。
その中でも獲得広告と呼ばれる、インターネット上で広告を表示し、購買などの行動喚起を促すようなもの。
それをクライアントに提案して売る仕事をしていました。

仕事を初めてすぐに、私は "広告" が嫌いになりました
なんで "広告" の仕事がしたかったのか分からなくなるくらいに
それでも、いつか好きになれるだろうと5年間仕事を続けました。

その間で、仲間の事が好きになり、クライアントの事が好きになったことがありました。だけど思い返してみれば私は "広告" を好きだと思ったことは、ほとんどなかった気がします。
仕事自体が好きになれなかった。だから会社をやめました。

そしてこの本を読むまで、私はもう   
"広告" と呼ばれる仕事はしたくないと思っていました。

私がなぜ広告を好きになれなかったか。

それは、広告の仕事で「人」を幸せにできると思えなかったから
そして、自分も幸せを感じられなかったから。

「人」を笑顔に、幸せにするのではなくて
モノを売る。売り上げを上げる。数字を達成する。ことばかりが
広告というか、その頃の自分の仕事における目的になっているように感じていたし、広告を通して自分が幸せになる経験が減っていき
広告によって苦しい気持ちになることが増えていっていたから。

そう思っていた理由がこの本を読んでわかりました。

本の一部を抜粋します。

"ネットでもSNSでも、広告の構造はほぼ同じだ。インパクト強く「妨害」して、生活者の意識を「広告という名の、企業に都合のいい一方的な情報」に向けさせようとしているのである。 
それに比べると、ファンベースという考え方は、ずいぶん違う。
なぜなら、企業・ブランド・商品のファンは、その情報を「望んでいる」からである。だってファンだからね。求めているのである。
言うなれば、妨害型というより「提供型」だ。妨害して無理やり広告を見させるのではなく、望んでいる人に謹んで情報を提供しますよ、という感じに近い。
そしてその提供は、「笑顔」をもって迎えられる。
自分たちが生み出し、愛しているその商品。その価値を支持してくれ、愛用してくれているファンの笑顔を作ることほど、誇らしく、やりがいのある仕事は他にはないのではないだろうか。"

ここを読んで、涙がでそうになりました。
鳥肌がたちました。本を開いたまま放心しました。

本来は仕事ってこういうことだと思うんです。
自分たちの仕事が誰かを助け幸せに笑顔にする。
そして自分もそれに幸せを感じる。

私は中学の時にジャニーズの嵐のコンサートに行き
舞台で楽しそうに仲間と踊り歌い、多くの人を笑顔にする彼らに憧れて
多くの人を笑顔にする仕事につきたいとずっと思ってきました。

そして広告の仕事なら、
多くの人を笑顔にできるのではないかと思い、その道を選びました。
だけど始めてみたら、自分の笑顔すらなくなってしまった。
伝えた先の遠くにいる「人」の笑顔を想像しようとしましたが、想像力も及ばずなかなか笑顔は見られませんでした。

でも、さとなおさんは、ファンベースという考えにおける情報提供は「笑顔」をもって迎えられると書いていました。

自分たちが愛している商品の価値を指示してくれる「ファン」を喜ばすことほど、楽しい仕事が他にあるだろうか。 とも。

自分が笑顔で心から自信をもって伝えたいことを、それを笑顔で受け取ってくれる人に伝えていく。
双方向の幸せが、ファンベースの考えに基づいて生まれる仕事にはある気がしました。
一筋の光がさしたような気がしたんです。

広告の仕事が本当にいやになったとき、
私はスターバックスで店員として働こうと真剣に考えたことがありました。
目の前の人を幸せにして自分も幸せになれる。
そして人を幸せに笑顔にした対価としてお金というものを受け取れる。
そんな体験を毎日できる仕事のほうが、今の何倍も幸せだと思ったからです。

ただ、この本を読んで、スターバックスでなくともディズニーランドでなくとも。人を笑顔にし、自分も笑顔になる仕事はできる。そう確信しました。
そして、今苦しんで働いている人たちも、このファンベースの考えが浸透していけば、きっともっと幸せに働く・生きることができるようになると。

今の仕事は、「人」が見えないものが多い気がするのです。
本来の仕事の「人を幸せにする」という言葉が、社是などの言葉だけに留まり、日々の仕事にまで降りてきていない感じがします。
自分の仕事が誰かに良い影響を与えている事を実感しにくい。
そして「人」が見えないことには、仕事に愛情を注ぐことは難しい。
だから仕事の目的を「人」ではなく「お金」や「数値」に切り替えなくてはならず、徐々にそれは「嫌」で「やりたくないもの」になっていく。

"人々が自分の仕事を通して自分たち自身を傷つけ、目に見えないボディーブローを効かせ合うような悪循環が長く重ねられてる気がしてならない-中略-働き方が変わることから、世界が変わる可能性もあるのではないか"

働き方研究家の西村佳晢さんが「自分の仕事をつくる」という著書のなかでおっしゃっていた言葉です。

仕事が嫌いな人が作った何かは、よくない何かを連鎖させていく。
わたしは、嫌なループがこれ以上回らないようにしたい。もうそのループの中には入りたくない。
わたしは、私自身が幸せだと思える仕事の道を追求していきたい。
そして、より多くの人がもっと幸せに日々働き良いループが回る世の中になってほしい。

そうすればきっと日本人の心には愛が増え、優しさが増え、自己受容もでき、思いやりや他者への関心を持てる人が増えていくのではないかなと思います。

”これからの時代は、長く顧客と付き合える会社が強いと思います。うまい言葉でナンパして一晩付き合うのではなく一生地道に付き合っていく結婚生活みたいなものです。"

嘘や偽りのある表面的な自分ではなく、心の根っこの部分までさらけだした自分で、愛情をもって「人」に接して生きていけば、きっと全てがプラスに回っていく。わたしは、そう信じて行動を続けます。

仕事の目的は「人を幸せにすること」
それはキレイゴトなんかじゃない
それは仕事の本来の目的だ。

さとなおさん、素敵な本をありがとうございました!

※こんなことを言っている私が今後どんな活動をしていくのかは、少しずつ言葉にしてシェアしていければと思います。読んでくださった方がもしいたら、ご一読ありがとうございました^^ 素敵な1日を!


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