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備忘録:巡礼の年の地理歴史

花組公演のタイトルであった「巡礼の年」とは、そもそもリストのピアノ曲集のタイトルなわけです。『第1年:スイス』『第2年:イタリア』『ヴェネツィアとナポリ(第2年補遺)』『第3年』とあって、マリー・ダグーと巡ったスイスやイタリアを題材にしたもの。
史実では、リストと長く連れ添ったのはカロリーネ・ツー・ザイン・ヴィトゲンシュタイン侯爵夫人という人。でもタイトルが「巡礼の年」になっている時点で、ヒロインはマリーに決まっていたんだなと思います。

それでこの「巡礼の年」という曲集、なんだかマジメ。youtubeで「Années de pèlerinage」と検索するとたくさん出てくる。どれも物凄く難しそうだけど、サロンでピアノを弾いていた頃のようなパリピっぽい雰囲気はないんですよね。ちなみに私の思うリストの代表的なパリピ曲とはラ・カンパネラ。キーシンの演奏を聞けば、言いたいことを汲んでもらえるんじゃないかと。。。

リストがなんでそんなキャラ変してしまったのか。やっぱりカロリーネの影響なんじゃないかと思うんですよね。このカロリーネ、wikiだと教養のある強情なお嬢さんみたいに書かれています。そしてかなり情熱的な人だったみたいで、自分の領地を売ってリストのところに走ったとも。しかも晩年は神秘主義に傾倒したとあって、そういう人と一緒にいたから曲も変わっていったのねと納得してしまう。

ちなみに、リストはカロリーネと結婚するために爵位を得たかったというのが通説みたいですが、爵位を授けたのはあのフランツ・ヨーゼフ1世。「エリザベート」と時代も場所も思いっきりかぶっています。だから劇中でエリザっぽい場面が出てくるのも当然なのよ。どの辺りからかぶっているかは別でまとめたいと思います。

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