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わたしは思い出す

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「わたしは思い出す」に関する最新情報。制作日誌、編者への一問一答、出版レーベルを始める経緯、展覧会の記録など。https://aha.ne.jp/iremember/
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2023年1月の記事一覧

書籍『わたしは思い出す』発売開始に寄せて

1000年に一度と言われた大地震の後を、 私たちはどのように生きたのか──。 本回想録は、たったひとりの記録と記憶にその問いの答えをさぐる試みです。 本書の語り手、かおりさんにとっての《11日》という日付。 それは、我が子の成長を祝う《月誕生日》であり、多くの方に不幸が訪れた《月命日》でした。 彼女はその日、どんなことを日記に残したのか。 そして、自筆をたどり直すことで、何を思い出したのか。 いくつもの《わたし》との出会い直しが、「辞書」のような回想録になりました

『わたしは思い出す』の6つのアプローチ

人は、経験していないことを、 どのように経験できるのか──。回想録『わたしは思い出す』の6つのアプローチ。 1. 〈わたし〉の視点から震災を捉え直す本書の編者(AHA!)は、仙台に暮らすひとりの女性、かおりさん(仮名)と出会います。かおりさんは、2010年6月11日に初めての出産を経験。以来、育児日記を書き続けてきました。彼女は日記に何を綴ったのか。そして、再読して何を思い出し、忘れてしまったのか。11年の歳月を〈震災〉という大きな主語ではなく、ひとりの女性の語りから捉え直