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最適なタイヤ径?

先日のギヤ比の話を読んでくださった方から、
「モーターとギヤ比によって効率のいい適正なタイヤ径はあるのでしょうか?」
という質問をいただきました。

その質問を受けたとき、自分の直感としては、何をもって適正とするかが難しいため、「適正なタイヤ径はこれだ!」みたいなことは言えないのではないかと感じました。

しかし、自分は24㎜タイヤを使っているのですが、これが26㎜や25㎜に比べるとなかなか具合がいいと感じています。
人気があるのは22㎜とか23㎜みたいな超小径タイヤです。しかし、中には26㎜という人もいます。
人によってタイヤ径は様々です。
では、そのタイヤ径がいいとする理由、例えば効率がいいとか、特性の違いみたいなことはあるのでしょうか?
タイヤ径の違いによる性能への影響から、適正なタイヤ径を考えることはできるのでしょうか?
これについて探ってみます。
今回は非常に長い記事になっておりますが、最後までお付き合いいただけると幸いです。

なお、私は一応理系の学科で勉強していましたが、大学には行ってないですし、今の職業は事務仕事で、モーターとか自動車の工学的な知識はほとんどないので、内容におかしなところがあるかもしれません。ご指摘ご質問等ありましたら、遠慮なくコメントしていただけるとありがたいです。

・タイヤ径による性能の違いとは?

一般的に、小径タイヤは加速がよくて最高速が低い、大径タイヤは加速は悪いが最高速が伸びる、と言われています。
また、タイヤ径が小さいほど重心位置が下がり、安定性が上がります。
それから、大径タイヤは燃費が悪いなんて言われることもあります。
つまり、タイヤ径によって次のような性能の違いが生まれます。

①加速力の違い
②最高速の違い
③重心位置による安定性の違い
④燃費(消費電流)の違い

この4つを考察してみたいと思います。

・モーターの特性

加速力や最高速を考えるには、動力源であるモーターの特性を知っておく必要があると考え、モーターについて調べてみました。

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モーターのトルクや回転数は、モーターにかかる負荷によって変動するそうです。
詳しい説明は以下のリンク先に譲りますが、モーターには次のような特性があります。
(https://micro.citizen.co.jp/tec/torque-motor.html)
・回転数は、無負荷(トルクがゼロ)のときに最大となる。
・トルクは、回転数ゼロのときに最大となる。
・回転に負荷がかかると、回転数が落ちてトルクが増す。負荷が減ると、回転数が増してトルクが減る。
・適正負荷トルク(定格トルク)が設定されており、これ以上のトルクで運用すると過負荷となり、故障の原因となる。
・適正負荷トルクの時の回転数を、適正負荷回転数という。

つまり、モーターの回転数が低いとき、すなわち走行速度が遅いときほど、トルクが大きく加速力があるということです。そして、速度が上がっていき、モーターの回転数が高くなってくると、トルクが小さくなり、加速力が低下していきます。速度が上がるにつれてモーターが発揮できるトルクは低下していき、走行時に受ける抵抗力と釣り合うほどトルクが低下したところで加速が止まります。このときの速度がマシンの最高速になります。

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①加速性能

(1)加速性能を求めるには?
速度によって加速力が異なるため、速度の増加量が同じでも、加速開始時の速度が違えば、加速に要する時間が変わってしまいます。
そこで、総合的な加速力として、速度ゼロから加速したとき、時間とともに速度がどのように上がっていくかを考えてみます。
「速度ゼロから加速したときの経過時間」と「速度」の関係を表す式を導いてみました。

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(式の導出は、長ったらしいので省略します)
色んな記号が出てきますが、時間tと速度v以外は全て、モーター性能やマシンのセッティングで決まる数値なので、これらを仮定すれば、何秒後に何m/sに加速しているかを計算できます。

(2)数式を使って計算した結果
ひとまず、次の仮定で計算してみます。
・モーターは開けポンのマッハダッシュモーターPRO
・無負荷回転数は32000rpm(開けポン3Vで回転数計測したら、だいたいこのくらいの数値かなと。)
・適正負荷回転数は22250rpm(タミヤの商品紹介ページに20000〜24500とあるので、その中間の値を採用)
・適正負荷トルクは、1.55mN・m(同じく1.3〜1.8とあるので、その中間の値を採用)(mN・mは、ミリ・ニュートン・メートルと読みます。)
・ギヤは超速ギヤで、ギヤ比3.5とする。
・車重は電池込み170gとする。
・タイヤ径は、22、24、26㎜を比較する。
以上を踏まえて計算した結果をグラフにしてみます。
また、グラフには「○枚着地(○m/s)」と書いたラインを引いてみます。これは、シングルドラゴンバックを飛び出したあと、飛距離がストレート1枚、2枚、3枚分となる速度を次の式により計算したものです。

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飛び出し角度は、スロープの角度である15度、重力加速度は9.80665、飛び出し点の高さは10cmとして飛距離を計算しました。そして、飛び出し位置はスロープ頂点の手前10cmとし、飛距離からこの10cmとスロープ下り部分の距離50cmを差し引いて、その値をストレート1枚分の長さ50cmで割り、ストレートの枚数を計算しています。
ストレート1枚着地は4.0m/s、2枚着地は5.0m/s、3枚着地は5.9m/sとなります。

タイヤ径の違いによる加速性能の差について考察してみます。
0.5秒時点での速度を見てみると、タイヤ径が小さいほど速度が速いです。つまり、タイヤ径が小さいほど加速が良いということです。
一方、2.0秒時点の速度を見てみると、タイヤ径が大きいほど速度が速いです。つまり、タイヤ径が大きいほどトップスピードが伸びるということです。
これは当たり前ですね。
もう少し細かく見ていくと、加速し始めは小径タイヤの方が速いものの、およそ1.25秒くらい、速度5.6m/sくらいを境にして速度が逆転しています。
さて、加速力は、このグラフの曲線の傾きが急であるほど高くなります。線が立っているほど加速がよく、寝ているほど加速が悪いということです。
曲線の傾きを見比べると、意外なことが見えてきます。
なんと、タイヤ径22㎜が加速力で勝るのは、およそ3.5m/s以下の低速度のときに限られ、それ以上の速度ではタイヤ径が大きい方が加速力があることが読み取れます。
1枚着地に収まるほどの速度までガッツリ減速したとしても、そこからの再加速はタイヤ径が大きい方が有利だということです。
レースの場面で1枚着地以下の速度まで減速することはまずないでしょうから、スタート直後以外は、小径タイヤの方が加速力において不利ということになります。

意外な結果です。
今までの自分の認識では、小径タイヤの方が常に加速力で勝ると思っていました。考えてみれば、同じ速度ならタイヤ径が小さい方がモーターの回転数が高くなるので、同時にトルクが小さくなってしまうわけで、加速力が落ちるのもわかる気がします。
しかし、タイヤ径が小さくても速いマシンもあります。これは一体、どういうことなのでしょうか。

(3)モーターの性能によっては…?
速い人は、いいモーターを使っているはず!
ということで、次のような仮定で計算してみます。
・モーターは当たり(良個体)のマッハダッシュモーターPROをしっかり慣らしたものということで、無負荷回転数、適正負荷回転数、適正負荷トルクの全てを、さきほどの開けポンモーターの1.2倍と仮定する。(無負荷回転数は32000rpm→38400rpm)
・その他の条件は先ほどと同じ。
以上を踏まえて計算した結果をグラフにしてみました。

やはり、低速度ではタイヤ径が小さい方が加速がいいですが、速度が上がるとタイヤ径が大きい方が加速がよくなります。
ただ、加速力(曲線の傾き)が逆転する速度はおよそ4.5m/sとなっており、開けポンを想定したときよりも速い速度に達するまで逆転が起きないということがわかります。しかし、2枚着地の速度以上になるとタイヤ径が大きい方が有利なのは変わりません。
ただし、当たりモーター+22㎜タイヤでも、開けポンモーター+26㎜タイヤと比べれば、全ての速度域で加速力は上回っています。タイヤ径が小さくても、モーターの性能が良ければ速いのです。
小径タイヤは、低速度域以外では加速力が落ち、最高速も低いです。しかし、モーターの性能によってそれを克服することができれば、重心の低さによって安定性が上がるため、マシンの総合的な戦闘力を上げることができると考えられます。

(4)ギヤ比が違ったら?
ギヤ比4:1の場合を見てみます。
モーターは上記の2パターンで、ギヤ比のみを4:1に変更したグラフです。

ギヤ比を落とすと、速度が1枚着地以下の低速度域においては加速力が少し良くなるものの、3枚着地以上の高速度域では最高速の伸びが抑えられるとともに加速力も落ちています。
タイヤ径の差による性能の違いは、低速度域ではタイヤ径が小さい方が加速力があるものの、1枚着地となる速度以上では、タイヤ径が大きい方が加速力が高くなります。つまり、ギヤ比3.5:1のときと同じです。

というのも、式をよく見てみると、ギヤ比を落とすことはタイヤ径を落とすことと本質的に同じということがわかります。

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これは、ギヤ比を落とすことによる速度や加速力の変化は、タイヤ径を小さくすることでも全く同じように変化させることができるということです。
例えば、タイヤ径26㎜+ギヤ比3.5:1の状態から、「ギヤを変えずにタイヤ径を22.75㎜にする場合」と「タイヤを変えずにギヤを4:1にする場合」を比べると、計算結果は全く同じになります。
つまり、もしタイヤ径を小さくできる余地が残っているならば、ギヤ比を変えるよりもタイヤ径を小さくした方が、重心位置を下げられるため、より有効な手段であると言えます。
セッティングにおいてギヤ比を落としてみるのは、それ以上タイヤ径を小さくできなくなってからでよい、ということです。

②最高速度性能

ここまでは加速力を考えてきましたが、最高速はどうなるのでしょうか。
単純に、タイヤ径の変化に比例するのでしょうか? 本当にタイヤ径が大きいほど速いのでしょうか?
ミニ四駆が加速する過程でのモーターの回転の様子を考えてみると、速度ゼロ、モーター回転数ゼロ、トルク最大の状態から加速が始まり、速度と回転数の増加に伴ってモーターが発揮するトルクは小さくなっていき、走行時の抵抗力(抗力)と釣り合ったとき、加速が止まると考えられます。

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このように考えると、最高速度は次の式で表されます。

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この式を使って、タイヤ径と最高速度の関係をグラフにしてみました。

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両軸のマッハ、ハイパー、トルク2について、回転数2パターン×ギヤ比2パターン=計4パターンで、タイヤ径22㎜から32㎜の最高速度を、抗力500mN(ミリ・ニュートン)≒51グラムとして算出したものです。なお、モーターごとに速度軸の最小値と最大値は変えていますので注意してください。

全てのモーター、ギヤ比において、タイヤ径が大きいほど最高速度は高くなっています。
ただし、グラフはタイヤ径dが変数となる二次曲線であるため、最高速はタイヤ径dに単純に比例するものではありません。タイヤ径が大きくなるほど、最高速の伸びがだんだんと緩やかになっていきます。
それでも、最高速を伸ばすという点のみで言えば、タイヤ径が小さいことによるメリットは無いと考えられます。
ただし、加速力の時と同じで、タイヤ径が小さくても、より性能の高いモーターを使えば最高速の低さを克服することが可能で、そうすれば重心の低さによって安定性が上がるため、マシンの総合的な戦闘力を上げることができると考えられます。

(なぜ抗力を500mNとしたのか)
抗力は、ミニ四駆が直線を走行中であれば、駆動系の摩擦抵抗、タイヤの転がり抵抗、空気抵抗があると考えられます。
空気抵抗は、速度が遅く前面投影面積も小さいことから、影響はほとんどないと思われるので無視しました。
駆動系の摩擦抵抗、タイヤの転がり抵抗は、摩擦係数に関するデータがないため、計算により求めることは困難です。ただ、どちらも速度に依存しない値であるので、抗力は何らかの固定された数値と考えることができます。
そこで、やや反則ワザですが、抗力の数値を色々変えながら計算したところ、速度域が経験則と合うような計算結果になったのが500mNだったので、これを抗力の値とすることにしました。
ちなみに、500mN≒51gfという数値は、だいたい車重の0.3倍くらいの値なので、まあまあいい線いってるんじゃないかな〜と思っています。

③重心位置と安定性

重心位置はタイヤの半径が変化した分だけ上下します。例えば、タイヤ径を26㎜から22㎜に変えたとすると、タイヤの半径は13㎜から11㎜に変化するため、重心位置は2㎜下がることになります。

この2㎜という数字、一見大したことが無さそうに見えますが、これがなかなかバカにならない数字です。
ミニ四駆の安定性に関する要素のひとつとして、「横転のしにくさ」を考えてみます。
物体は、重心位置が低いほど、また、倒れようとする方向に幅が広いほど倒れにくくなります。
ミニ四駆について言えば、重心位置が低く、タイヤのトレッド(左右のタイヤの間隔)が広いほど、横転しにくいということです。

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これは、別の見方をすると、左右のタイヤと重心位置を結んだ三角形が相似であれば、重心位置やトレッドが違っても横転しにくさは変わらないということです。

例えば、重心位置をドライブシャフトと同じ高さと仮定すれば、タイヤ径22㎜、トレッド60㎜のマシンと、タイヤ径26㎜、トレッド71㎜のマシンは、横転しにくさが同じになります。
別の言い方をすると、トレッドをぎりぎりまで狭くした超小径22㎜ペラタイヤのマシンは、小径ローハイト無加工の26㎜タイヤをXシャーシくらい広いトレッドにしたマシンと同じくらい横転しにくいということです。
また、トレッドが狭い方がコーナリングスピードが速くなるので、小径タイヤは安定性を維持したままコーナリングスピードを上げられるとも言えます。
タイヤ径を小さくすることによる重心位置の変化は、1㎜とか2㎜とか一見するとわずかに思えますが、その効果はかなり大きく、タイヤを小さくする大きなメリットだと言えます。

④燃費(消費電流)

速度性能ではあまりいいところがなさそうに見えた小径タイヤや4:1ギヤですが、燃費(消費電流の小ささ)の面では、径が小さいタイヤほど有利です。

モーター性能とギヤ比が同じで、タイヤ径が大きいマシンと小さいマシンがあったとします。
ストレートやコーナーなどのフラットセクションを走行しているときは、タイヤ径の差で最高速が変わるものの、抗力にほとんど差がないため、モーターのトルクも回転数も、タイヤ径による差は大きくないと考えられます。つまり、消費電流にも大きな差は生まれません。
しかし、立体セクションを攻略するときは話が変わってきます。
スロープセクションなどをクリアするときのジャンプ軌道や飛距離が同じであれば、タイヤ径が違っても速度は同じです。
速度が同じということは、タイヤ径が小さいほどタイヤが速く回転しているわけですから、それに合わせてモーターの回転数も高くなります。
モーターは、回転数が高い状態だとトルクが小さくなることは先に述べましたが、同時に消費電流も小さくなるという性質があります。

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(少し誇張した作図ですが…)
つまり、タイヤ径を小さくしつつ、ブレーキの効きを調整して、立体セクション攻略時の速度をタイヤ径が大きい時と同程度に合わせれば、モーター回転数が高い状態を維持して走行することができ、消費電流が抑えられるということです。

速度と電流とタイヤ径の関係を表した式は次のとおりです。

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この式から、タイヤ径22、24、26、28㎜のときの速度と消費電流の関係をグラフにしてみました。
平均的な量軸マッハ、ハイパー、トルク2を想定しています。

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速度ゼロ、つまりタイヤがロックしているとき、消費電流値は最大となり、タイヤ径の違いによらず同じ数値となります。
速度が上昇するにつれて消費電流は小さくなっていき、速度が同じならタイヤ径が小さいほど消費電流は小さいです。また、速度が速いほどタイヤ径の違いによる消費電流の差は大きくなります。
すなわち、消費電流(燃費)の面では小径タイヤが有利ということです。

ただ、その数値にはそれほど大きな差はないと言えるかも知れません。
MDPで平均速度が6m/sとすると、タイヤ径22㎜と26㎜の消費電流の差はおよそ0.6Aです。スタートからゴールまで30秒のコースだったとすると、消費電力の差は5mAhとなります。

ちなみに、小径タイヤの消費電流の小ささは、モーターの回転数が高くなるということに起因しています。
これはギヤ比を落とした場合も同じで、速度が同じならモーターの回転数が上がるので、やはり消費電流は小さくなります。つまり、ギヤ比3.5:1よりもギヤ比4:1の方がモーター回転数が高い状態で走行できるため、消費電流が抑えられると思われます。

・結論

今回の考察の結果を見ると、スタート直後の加速力の低下、重心位置の上昇による安定性の低下、消費電流の増大について許容できる範囲で、なるべくタイヤ径を大きくした方が、立体セクション攻略時の再加速がよく、最高速も伸びるということが言えます。
特に、モーターの性能がそれほど高くない場合は、よっぽどの理由がない限り、極端に径の小さいタイヤは使うべきではないのかなと思います。あまり性能が高くないモーターを、22㎜とか23㎜などの極端に径の小さいタイヤと組み合わせると、最高速が伸びないばかりか、立体セクション攻略のために減速した状態からの加速力も悪くなり、レースにおいて苦しい戦いを強いられる可能性があります。
ただし、重心位置が低くなることにより安定性が大幅に上がるのは魅力的ですし、スタート時の加速力が上がるのも確かです。また、消費電流を抑えられるので、後半の速度低下を抑えられる可能性があります。
モーターの性能によって、小径タイヤの速度や加速力を補うことができれば、安定性や燃費の良さで総合的な戦闘力は高くなるでしょう。

これは、自分の経験談ですが、
かつて、モーターの慣らしも選別もしていなかった頃、速い人たちのマシンが小径タイヤなのを見て、23.7㎜のタイヤをつけてみたことがありました。しかし、速度が伸びなくて苦労し、あまりレースで勝てませんでした。そこで、加速力が落ちるのを受け入れてでも最高速を伸ばそうとして26㎜のタイヤを付けたら、速度が伸びたばかりか、加速力が落ちたようにも感じられず、レースでの調子がよくなった、ということがありました。おそらく、モーターの性能不足で小径タイヤを回し切れていなかったのでしょう。タイヤ径を大きくしたことで、スタート時の加速力は犠牲にしましたが、最高速を伸ばすと同時に、高速度域での加速力を確保できていたのだと考えられます。
その後、慣らしのやり方を色々試してみたり、性能のいいモーターを選別したりして、26㎜タイヤだと安定性の低さが気になり始め、タイヤ径を24㎜にしたところ、安定性が増して扱いやすくなりました。今は、ダッシュ系モーター使用時はタイヤ径24㎜で固定していますが、しっかり回ってくれるモーターのおかげか、特に速度や加速力に不満はありません。

こうした経験や今回の考察から考えるに、マッハダッシュモーターに限って言えば、手持ちで1番いいモーターの回転数によって、
32000rpm → タイヤ径26㎜
35000rpm → タイヤ径24㎜
38000rpm → タイヤ径22㎜
くらいが目安なのかなあと思います。
ただ、無負荷回転数を計測しただけではモーターの本当の性能はわからないので、あくまで目安です。
それに、速度を犠牲にしてでも安定性を上げたい場合もありますし、逆に安定性を犠牲にしてでも速度を上げたい場合もありますので、やっぱり目安にしかなりません。
結局のところ、最終的には人それぞれ好みの問題になってくるのかなと思います。

・おわりに

やっぱり「1番効率がいい適正なタイヤ径は何㎜、これにしとけば間違いない!」みたいなことは一概には言えなさそうです。
しかし、めちゃくちゃ回るモーターと超小径タイヤの組み合わせが、レースにおいて「強い」のは確かだと思います。速度と安定性を両立できるからです。
しかし、誰もがめちゃくちゃ回るモーターを持っているわけではありません。
流行りは超小径タイヤかもしれませんが、タイヤ径を小さくするのにこだわることなく、持っているモーターの性能を考慮して、速度と加速力と安定性をバランス良く実現できるタイヤ径を選ぶのがよいのだと思います。

今回は非常に長い記事となってしまいましたが、最後までお読みいただき大変ありがとうございました。
私は専門的知識を持った人間ではないため、この記事での考察に疑問を抱いたり誤りを見つけられるかもしれません。そのようなときは、遠慮なくご指摘ご質問等していただけるとありがたいです。
よろしくお願いします。


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