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いちょうの実

宮沢賢治
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青空文庫より、
宮沢賢治「いちょうの実」
を読みました。

《ふわっとあらすじ》

まだ星がいっぱいの冷たい明け方に
子供たちはみんな目を覚ましました。
そして確かに今日なのだと思いました。

子供たちはいちょうの実です。
今日は、お母さんのいちょうの木から
みんな一緒に旅立つ日なのです。


子供たちの話し声が聞こえてきました。

ずっとお母さんのそばがいい、とか
落ちる時、目が回りそう、とか
持ち物が見つからない、とか。

不安で泣き出しそうな子たちは、
お互いに励ましあいます。

期待を膨らませて、
ワクワクしている子は
それぞれの夢を語り合います。

星になりたい子
化け物退治をして
お姫様を助けたい子

みんなドキドキそわそわしています。

今年は千人の子供たちが生まれました。
いちょうの実は一人残らず旅立ちます。
お母さんは、子供たちとの別れを悲しんで
葉っぱを全部落としてしまいました。

さあ、朝日の光が
束になって差しこんできました。
すると、猛烈な北風がゴオーっと吹き、
いちょうの木を揺らしました。

「さようなら、おっかさん。」
いちょうの実は、そう
お母さんに別れを告げながら
雨のようにいっぺんに飛び降りました。

それを見て
北風は安心して笑いました。
そしてお日様は、
ありったけの光で
母と子らを照らしました。

~・~・~・~・~・~・~

音声配信アプリstand.fmにて、
「しんいち情報局(仮)」の
「朗読しんいち」を
担当させていただいています。

しんいち情報局(仮)
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