公園で出会った小学生
今日は久々に気温がぐっと上がって、緑が爽やかに感じられるいい天気だった。
私は久々に2人の友人に会った。
公園の小高い丘に四阿をみつけ、持ち寄った昼食を広げて近況を話していた。
3人で向き合って座っていたのだが、気がつくと友人の後ろに自転車に乗った小学生くらいの男の子が2人、何かいいたげな表情でこちらを見ていた。
「こんにちは。」
声をかけると、少年たちは
「こんにちは。あの、ここで休んでもいい?」
午後2時、見渡すと周りに日陰がなく、いくつかある四阿はすっかり埋まっていた。
「もちろん!ずっと公園で遊んでたの?」
そんな会話のやりとりをいくつかしていた。
2人は自分達の学校の話や、普段どんな遊びをしているのか等楽しそうに話してくれた。
私の幼少期と違いを感じたのは、今の小学生はスマホを持っているということ。
確かに私が小学生の頃も早い子は携帯を持っていたけれど、彼らは持っているのが当たり前、しかもタブレットもあるらしい。
タブレットは学校で配られるのかな?
私はと幼少期を思い出したらおにごっこをしたり、河原でザリガニ捕まえたり、お姉ちゃんのたまごっちで遊ばせてもらって、結局ウンチたまって気づいたら召されていた記憶だ。
あとはゲームボーイでポケモンをして、ピカチュウ連れて四天王を倒したこともあった。
バグらせてレベル上げしたり、ミュウ作ったりしてた。
さらに驚いたのは、その小学生がYouTubeをしていたことだ。
「僕ね、実は、お父さんとお母さんから許可をもらって、YouTubeをしてるの」
「え!何配信してるの?」
「いろいろだよ。ゲーム実況とか、BBQの配信とか!」
かなり驚きだ。
少年から言われた通り検索してみると、確かに配信していた。
親御さんのアカウントで投稿しているようだ。
私は未婚で子供がいない独身だが、もし将来子供ができて子供からYouTubeやっていい?って聞かれたら賛成できるだろうか。
良し悪しはさておき、子供も親も抵抗感がないのだということにシンプルに驚いた。
おまけに
「チャンネル登録お願いします!」
とまでしっかり宣伝されて笑ってしまった。
最近は「参考にするツール」が身近になって、メイクも遊びも、学びも、YouTubeで知る機会が増えたと思う。
街の高校生も私たちの時のような芋っぽさが全然なくて驚いている。
最近の小学生の実情に驚きばかりで、私たちの頃と全然違うなぁと、自分が幼い時大人から浴びせられた言葉が浮かんでしまった。
でも、オマセにもみえるこの少年、
「僕ね、実は苦手なことがある。食べられない物も多いし、勉強も苦手だし、走るのも遅いんだ。」
と呟いていた。
「それだけ好奇心があるのは素晴らしいことなんだよ!
私は今になって好奇心あるけれど、君くらいの時は遊ぶことしかしてなくて、物知りじゃなかったよ」
「そうそう、大人になったら美味しいと思える物も増えるよ」
「行ける場所も増えるし!」
そんなことを友達と言っていたら
「でも僕ね、本当に走るのが遅いんだ。みてみて」
と言って四阿の周りを走っていた。
なるほど。
確かに走り方が独特だ。
でもなんだか、そういう姿が微笑ましくて、可愛らしくて、むしろ安心した。
素直に苦手を認識して伝えられることも羨ましかった。
少年1「ルーレット!頭のボタンを押して!ジャカジャカジャカジャカ…」
少年2「ポチッ」
少年1「ピーン!当たり〜!」
私「何がもらえるの?」
少年1「僕の笑顔!」
…少年、持ちネタもあるのか!
しかも100点回答すぎる。
自分の笑顔がもらえます!という自信、とてもチャーミングでかわいい。
この子は大物アイドルになるかもしれない。
しばらくして少年たちは自転車で丘をおりて、下からこちらを見上げて手を振って去って行った。
「台風一過だね」
友達たちと顔を見合わせて笑った。
「あの年齢であれくらい話せて、自分の苦手意識もハッキリしてるのすごいよね。私は当時外で遊んでるだけだったよ」
「大人でさえ自分と向き合わないと好きも嫌いも見つけられないことあるのにね。」
「「勉強になります。」」
将来、どんな大人になるのかな。
元気をもらったな〜
ありがとな、少年達!!
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