タクミサイトウ

斎藤工の話するね。
工さんの握手会は何回か行ってるんだけど
はじめて行ったときのことを話すね。
もう6~7年くらい前かな。
もっと前かもしんない。

たしか場所は神保町?
なんだっけ…
カレンダーか写真集の発売にあわせたイベントだった気がする。

当時私は学生だったんだけど、
工さんのエッセイ「ニッポン脱出」が本当に大好きで、
マジで私もニッポン脱出できないかなとか考えたりした。
ニッポン好きだから無理だったけど。

今は分からないけど
工さんのブログって、初期の記事がアーカイブに反映されないから、
わざわざURLの数字いじって最初から読んだりした。
剥き出しの言葉で、厳しいこといっぱい言ってるんだけど、
きっと嘘がないからだろうな、すごく影響を受けたの。
本みたいに、教科書みたいに、
なんべんもなんべんも読んで考えさせられたな。

だから、俳優としての工さんはもちろんのこと、
斎藤工っていう人間がすごく好きで、
私の青春時代を大きく塗り替えた人だと言っても過言ではない。

ちなみに彼の出ている作品で
いちばん繰り返し見たのは「親孝行プレイ」です。
ツタヤの内部に潜入したら、
あの店の「親孝行プレイ」のレンタル履歴バグみたいになってるんだろーなってくらい借りた。
そんでもって買った。
要領悪い。

でー
当時は斎藤工を知っている人が今ほど多くなくて、
1回の握手に30秒くらい割いてもらえたの。
これがものの数年で5秒くらいに縮まるんだけど(笑)。

そいでね。
列が短くなって、どんどん工さんの姿が見えてきて、
ドキドキするじゃない。
だってホンモノだよ。サイトウ・リアル・タクミだよ。
でもね、よくよく考えたら30秒もいただけるなんて思ってなかったから、
なに話せばいーか分からなくて、頭真っ白になったの。
まだ貧血起こして倒れたときのほうが意識あったよねって。

そんなこんなで順番来るじゃん。
手つないだ瞬間、爆泣きナイアガラフォールズだったよねって言うてる。

あのね、工さんね、両手で包み込むように握手してくれたの。
もはや握手じゃないのでは?ってくらい、
丁寧にやさしく包み込んでくれたの。
でも工さんからは何も言ってくれないの。
地蔵みたいにジーッとして、ものすごく目を見つめてくるワケ。
月9はじまったのかもしれない。
私は北川景子なのかもしれない。石原さとみなのかもしれない。
これは、私のセリフ待ちなのかもしれない。

「あの……工さんを知らなかったら、今の私の人生、なかったといっても過言ではワハァッ……ウッ……ワハアア………ワハ」

むっちゃ泣くし、話が重い。
ぐっちゃぐちゃの言葉で、
あなたがいなければ私どーなってたか分からんって言ってた。
とくに何かに悩んで、生きるしんどさを感じていた記憶はない。
たぶん台本通りにいった結果がそれだったんだわ…。
メンタルを病んでいる北川景子だったんだわ………。

そしたら工さん、なんて言ったと思う?

何も言わなかったの。
何も言わないで、とうとう言葉さえ失いどちゃくそに泣き崩れる私の手を、
さらに強く握って2回頷いてくれたの。

それで終わり。
世界が30秒まわったの。
工さん、結局何も言わなかった。
でも何か言われるよりずっと心が温かかった。

これが斎藤工という男よ。

それ以降の握手会は、
「親孝行プレイ2とかやらないんですか~?」とか、
「頭に巻いてるのおもしろいですね」とか、
超どうでもいいこと言って会話を楽しんでいた気がする。
もっと言うと、ファンクラブにも入っていたから、
FCイベントの旅行とか行ったよ(^^)懐かしい~!

んでもって、数年経った頃には、

「今日も好きですありがとうございます応援しています好きです!!」

で、背中ポン…ね。
工さん、すごい。

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