女子フランス代表解析(WC2022敗因分析含む)

皆さん、こんにちは。
Beybowです。
今回は、バスケ女子フランス代表の戦術解析について、つらつらと解説したいと思います。
ワールドカップ2022 日本代表VSフランス代表における日本代表側の視点で敗因分析(日本敗戦)に関する説明をします。
フランス代表といえば、Williams・Rupert・Marine Johannes(※この大会では選出されてない)といったWNBA選手がいます。

まず、この試合では、日本代表はフランス代表に53-67に敗れています。

(引用) FIBA 女子バスケットボールワールドカップ2022 
フランス VS 日本 
(https://www.youtube.com/watch?v=jo4tuSK8oes&t=2063s&pp=ygUgZmliYSB3b21lbidzIGJhc2tldGJhbGwgamFwYW4gV0M%3D)

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この試合では、東京オリンピック2020ではフランス代表に圧倒していた日本代表は、14点差で敗れているため、敗因分析を詳しく具体的に説明していきたいと思います。

先に、この試合から見れる、フランス代表のオフェンス戦術から説明していきます。

◎    フランス代表のオフェンス戦術


・ペイントエリアへのドライブによる得点が多い。
・オフェンスの起点は、プレイメイクはFeathoux、Gabby Williams(以下、Gabbyと記述する)とMichelだと考えられる。
Gabbyは、ボールを持つ頻度や時間がほかの選手と比べて、多い傾向にあった。
そしてMichelは、潤滑油的な存在であり、スペーシングや立ち位置においてもチーム戦術において、意味が大きいプレーをする傾向がある。
Gabbyがボールを持つ頻度や時間が多いことから、日本代表は完全にGabbyに対する意識が大きかったとみられる。つまり、試合中Gabbyに対する警戒が1クオーターまたは時間ごとに徐々に強くなっていったと考えられる。また、プレイメイクおよびゲームメイクの役割を担うFeathouxは、基本的にペリメーターライン外にいるが、同時にフォワードのようなスペーシング(オフェンスリバウンドなど)をすることもある。PFのシャトローやCのルペートのようなインサイドプレーの中核に対しては、高FG率の選手に対してポストにパスを出す傾向(パスワーク)もある。しかしながら、PFのシャトローは、Cがペイントエリア付近にいるとき、オープンエリアまでスペーシングをしてボールが渡ったら3ポイントをシューティングすることがある。
特に、Gabbyは、この試合でもエース的な存在でドライブや高確率なミドルシュートによる得点が多い。

次に、フランス代表のディフェンス戦術に関する説明と、この試合に関する分析を説明していきたいと思います。

◎    フランス代表のディフェンス戦術と全体の試合分析


ディフェンスは、ミドルオフェンスを適用していた。PGのFeathouxはパスカットなどペリメーターディフェンスに長けていると考えられる。その理由としては、ペリメーターライン外でパスカットやスティールを狙う傾向がある。
全体の試合分析を考察すると、インサイドの要である先発起用の渡嘉敷にとって、フランスの攻守戦術が、非常にミスマッチだったことが考えられる。
まず、フランスのオフェンス戦術は、テンポが速く、Cの役割が実質PFかつ外シュートを打つこともあったことやCの渡嘉敷が慣れないペリメーターディフェンスへの意識もあったことが考えられる。
そして、フランスのオフェンススペーシングやパスワークによる、日本のディフェンスマッチアップの切り替え時に渡嘉敷のマッチアップ相手がガードやフォワードになることが多数見られた。そのため、渡嘉敷が慣れないペリメーターディフェンスへの意識が大きくなっていったことも考えられる。
また、オフェンス戦術が実質フォワードバスケの要素が強いことから、先発起用の渡嘉敷の役割やプレースタイルを考えると完全ミスマッチであることが考えられる。そして、日本は実質ラン&ガン戦術に近く(オフェンステンポが速い)、完全にスタミナおよび機動力重視のバスケ傾向が高かった。インサイドの得点力やリバウンドの要素を考えると渡嘉敷が実際に起用しがちだが、フランスの戦術やプレースタイルおよび当時の日本の戦術を考えると実際最適のセンターは、オコエもしくは高田真希ではないかと考えられる。
その理由は、共通して2つある。
1. 優れた機動力とスタミナ力
2. フォワードバスケ慣れ(実質二人ともPF)
 以上の理由から、個人の見解としては最適先発Cではないかと考えられる。
 しかし、渡嘉敷にとって守りやすい相手選手がいる。
 その選手は、C起用のルペートである。
 ルペートは、オフェンスリバウンドからのセカンドチャンスとしてフィジカルを生かしながらゴールにねじ込むプレーが多く見られた。ルペートは、フォワードバスケのように見られるが、実質完全にCのプレースタイルをしていた。
しかし、渡嘉敷がベンチに下がり、ルペートがコートインするとフランスのオフェンステンポとしてペースダウンしていたのではないかと考えられる(渡嘉敷がいると実質ラン&ガン戦術)。
また、渡嘉敷がコートインするとオフェンステンポが速くしてもいいようにコートインにおける選手役割変更(オンボール・オフボールスクリーンスイッチによるディフェンスマッチアップ変更におけるミスマッチの誘導)やフォワードバスケを展開していたのではないかと考えられる(渡嘉敷に対するコートアウトへの意識・リバウンド優位に立つため)。
この試合で最も日本にとって守備しにくく、活躍していたGabbyに対して非常にディフェンスがタイトで比較的自由にさせなかった選手は、東藤とみられがちだが、馬瓜ステファニーである。東藤によるディフェンスもタイトではあるが、Gabbyとの身長差で上からミドルレンジでのシュートを打たれてミスマッチが発生していた。しかし、馬瓜ステファニーの場合、身長差によるマッチアップがほぼなく、東藤よりもよりタイトなディフェンスが実現していた。東藤の場合は、スピードと機動力が持ち味なため、Gabbyのドライブオフェンスについていけている点も見られた。

以上、分析説明はここまでです。

Thank you.

作成者:Beybow (Kou Suenaga)
作成期間:2024/2/8~2024/2/19
参考資料:YouTube、WorldCup2022 Stats

 

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